エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1398
2024.02.29 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
ここからはパッケージから製品を取り出し、外観スタイルから構造を見ていこう。ただしNoctuaカラー版での検証は以前掲載済みだけに、いずれも簡易的なチェックに留めている。より詳細を知りたい場合は、是非過去の検証記事をご一読頂きたい。
Noctua「NH-D9L chromax.black」 実勢価格税込約13,000円前後(2024年2月現在・2023年11月発売) 製品情報(Noctua) |
「NH-D9L chromax.black」は、2つのヒートシンクの間に92(90)mmファン「NF-A9 PWM chromax.black」を1基搭載。全高を110mmに抑えた小型筐体用に設計されたサイドフロー型の空冷クーラーだ。
あらためてNoctuaカラー版「NH-D9L」と並べると、当然ながら見た目は全く同じ。多少売価に違いはあるものの、搭載ファンのスペックも違わない。ここまで徹底して同一にしてくるあたり、やや神経質なイメージのあるNoctuaらしさとも言えよう。
次にヒートシンクに注目してみよう。NH-D9L chromax.blackは3Uラックマウントに対応すべく設計されている。ハイエンド志向の大型(サイドフロー型)クーラーに注目が集まる自作PC市場だけに、実物はかなり小振りに見える。とは言えそこはNoctua製品とあって、より緻密で精巧な製造物である事を感じさせる。
製品資料によると95x95mmの設置面積は、ほとんどのIntel/AMDのMini-ITXマザーボードに対し、メモリスロットおよび拡張スロットに干渉する事は無いという。そしてベースとなる「NH-D9L」については「世界100以上のハードウェアレビューサイト・雑誌から賞や推奨を得た」とされ、既に市場に認められている冷却機器である事が謳われている。
受熱ベースプレートの接触面は、実測で約40x38mm。対応ソケットはIntel LGA1851/1700/1200/115xおよび、AMD Socket AM5/AM4 |
俗に言う「ツインタワー型ヒートシンク」スタイル。4本のヒートパイプが2つのヒートシンクを貫通し、向かい合わせに形作られている |
アルミニウム製放熱フィンは1ヒートシンクあたり35枚で構成。左右合計70枚で冷却を行う構造だ |
以前インタビューで、「ヒートパイプのCPU直接触の手法は選択しない」と明言。あくまで独自の見解ながら、その効果は懐疑的というスタンスだった |
搭載ファンはNoctua独自のAAOフレームとFlow Acceleration Channelsによる精密な空力設計が施された「NF-A9 PWM Chromax.black」ファンだ。外形寸法は92x92x25mmのリブ無しフレームを採用。8枚ブレードで、回転数は400rpm±20%~2,000rpm±10%、騒音値は最大22.8dBA、風量は最大78.9m³/hとされる。
なお、NH-D9L chromax.blackにはNoctuaではお馴染みの減速ケーブル「L.N.A」が付属し、最大回転数を最大1,550rpm、騒音値を最大16.3dBAまで抑える事ができる。ただし本稿ではNF-A9 PWM Chromax.blackのカタログスペックでも十分静音状態であり、敢えて回転数を下げて冷却性能を犠牲にする事にメリットを感じなかったため、検証での使用は見送る事にした。
NF-A9 PWM Chromax.blackは、四隅に装着される振動パッドを含み全てが黒ずくめ。僅かにNoctuaの”フクロウロゴ”にブラウン色が使用されている |