エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1400
2024.03.05 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
「G-GEAR GE9J-M242/ZBH」は新型筐体の採用による優れたエアフローが特徴とあって、その冷却性能は気になるところ。ここでは、ベンチマーク中におけるCPUおよびグラフィックスカードの挙動をチェックしていく。
なお、CPUのストレステストには「Cinebench 2024:Minimum Test Duration:30 minutes」、グラフィックスカードのストレステストには「3DMark Speed Way Stress Test」を使用し、動作クロックと温度を「HWiNFO」で計測した。
強力な負荷が連続するシチュエーションながら、Pコアは5.3~5.5GHz、Eコアは4.4GHzをキープする安定したパフォーマンス。CPU温度も約90℃で安定しており、Core i7-14700Kの性能を引き出しつつ十分に冷やし切れていることが分かる。標準構成に採用されているDeepCoolのオールインワン型水冷ユニット「LS520」は、狙い通りの仕事を果たしていると言えそうだ。
一方のグラフィックスカードは、常時公称クロックを上回る2,800MHzをマーク。動作温度は73℃前後を安定して推移しており、搭載カードの3連ファンクーラーはしっかりGeForce RTX 4070 Tiを冷却できているようだ。ファン回転数も70%台と、まだ余裕を残している。
さらにマシンから約10cmほど離れた位置に騒音計を設置。ストレステストの「3DMark Speed Way Stress Test」を動作させたところ、最大騒音は42dBだった。フロント・トップをメッシュ開放するエアフロー重視型のため、アイドル時でも動作音は聞こえてくるものの、(高負荷時を含め)総じて耳障りな印象はなかった。大量のフレッシュエア取り込みと十分な排気を両立させることで、各クーラーもファン稼働率を抑えた効率のいい冷却ができているようだ。
最後は「G-GEAR GE9J-M242/ZBH」の動作中における消費電力をチェックしつつ、各種検証を締めくくろう。ストレステストの「3DMark Speed Way Stress Test」を動作させた際を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時として、それぞれワットチェッカーによる計測を行った。
アイドル時は63Wに留まり、省電力性能はさすが。高負荷時も400W未満に収まっていることから、標準構成の850W電源ユニットであれば十分な余裕が確保されている。電力変換効率が高くなる負荷率50%近くの動作が見込めるほか、長期間使用により電源が多少ヘタってしまっても安定した動作が可能だ。
ゲームプレイの快適さなどは構成パーツにも左右されるところ、「G-GEAR GE9J-M242/ZBH」は搭載するCPU・GPUともに最大限のパフォーマンスを発揮できていた。それを可能にしているのが、大型ラジエーターのオールインワン水冷ユニットやロングサイズのグラフィックスカードを余裕を持って組み込める、新設計のプレミアムなミドルタワーケースだ。
フロント全面からフレッシュエアを直線的に内部に導き、大胆に解放されたトップおよびリアから効率よく排気。ホットエアを内部に留めないことで、各熱源のクーラーも理想的な環境で仕事ができている。そのおかげで、システムとして高い完成度を誇る1台が出来上がった。
最新のトレンドを取り込んだ設計上の素性の良さ、さらにシンプルなカッコよさ漂う外観と、新筐体の魅力は十分。強力な冷却と拡張性を兼ね備え、長く活躍するG-GEARの新定番ケースになるであろうことは間違いない。今後はこの筐体を使用したより手頃な価格帯の製品も投入されるとのこと、幅広いユーザー層をカバーするバリエーションの登場が期待される。
提供:株式会社ヤマダデンキ(ツクモ)