エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1401
2024.03.08 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
PCへの組み込み方法を確認したところで、ここからはCORSAIR「A115」の気になる冷却性能をチェックしていこう。テスト用CPUには第14世代Intel CoreプロセッサのハイエンドモデルCore i7-14700とフラッグシップモデルCore i9-14900Kを用意し、マザーボードにはIntel Z790チップセットを採用するASRock「Z790 NOVA WiFi」を使用した。
またストレステストは「OCCT 12.1.15:CPU:データセット大」と「Cinebench 2024:30 minutes(Test Stability)」の2種類で計測を行い、CPU温度はCPU Packageの数値を、騒音値はデータログ機能を備えた騒音計アズワン「TM-103」をCPUクーラーから30cmの距離に設置した。
Power Limitの設定はUEFI BIOSの「Long Duration Power Limit」と「Short Duration Power Limit」を直接設定している |
Pコアが8コア/16スレッド、Eコアが12コア/12スレッドのハイエンドCPU Core i7-14700 |
Pコアが8コア/16スレッド、Eコアが16コア/16スレッドのフラッグシップCPU Core i9-14900Kでも検証を行った |
まずはCPUにCore i7-14700を使用し、PL1/PL2ともMaximum Turbo Powerの219Wに設定した場合の冷却性能を確認していこう。なおCPU温度(CPU Package)については、メモリクリアランスの項目で解説した「VENGEANCE RGB DDR5」を想定して、メモリ側の冷却ファンを上方に約20mmスライドした状態でも計測を実施している。
「OCCT 12.1.15」実行時の温度は73℃前後、「CINEBENCH 2024」実行時でも76℃前後で、Maximum Turbo Powerの設定でもCore i7-14700を完全に冷やし切ることができる。またPackage Powerは設定値通り219Wでほぼフラットなグラフ。動作クロックもPコアが5,000MHz前後、Eコアが4,000MHz前後で安定しており、サーマルスロットリングも発生していないことがわかる。ちなみに上方にスライドした状態だと平均温度は「OCCT 12.1.15」で約1.6℃、「CINEBENCH 2024」では約1.5℃高くなっており、わずかだが冷却性能に影響があることがわかる。
ファン回転数はいずれも公称最高値に近い1,600rpm前後まで上昇している。冷却性能にはまだ余力があるため、Core i7-14700をMaximum Turbo Powerで動作させる場合はもう少し回転数を落としても問題ないだろう。またノイズレベルはおおむね43dBA台で推移しており、風切り音もはっきりと聞こえてくる。ただし、ファンサイズが大きく、低音が中心ということもあり、それほど耳障りに感じることはなかった。