エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1406
2024.03.29 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
今回の検証では、CPUクーラーとしてロープロファイル仕様のNoctua「NH-L9a-AM5」を組み込んでいるが、さすがに冷却面ではやや苦戦していたようだ。実際にどのような挙動を示していたのか、「Cinebench 2024:Minimum Test Duration:10 minutes」を動作させ、その際の様子を「HWiNFO」で計測してみることにした。
テスト冒頭からCPU温度は90℃オーバーまで上昇、クロックは4,400~4,600MHz前後で動作していた。「DeskMeet X600」に組み込めるCPUクーラーは全高54mmまでのため、冷却面の不利はある程度考慮に入れておく必要がある。なお、一応グラフィックスカードとの排他利用で120mmラジエーターの水冷ユニットも組み込めるため、それがどのように影響するかも興味深いところだ。
最後はRyzen 7 8700Gを組み込んだ「DeskMeet X600」の消費電力をチェックし、動作検証を締めくくろう。「Cinebench 2024」を動作させた際の数値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時として、それぞれワットチェッカーによる計測を行った。
わずか30Wほどのアイドル時もさることながら、高負荷時も135Wに留まる省電力仕様。「DeskMeet X600」は500Wの電源ユニットを標準搭載しているが、ここにミドル級のグラフィックスカードが加わっても動作にはまだまだ余裕がある。複数のストレージを組み込む想定でも同様で、電源には十分なマージンが確保されているようだ。
容積8リットルという筐体を採用する「DeskMeet」シリーズは、相変わらずうまい具合にバランスのとれた設計になっていると感じた。ゲーミング向けMini-ITXケースのように大型ラジエーターには対応しないものの、同様に複数スロット占有のグラフィックスカードが組み込める上に、サイズやフットプリントは大幅にコンパクト。ミドル級のシステムを詰め込むなら、卓上に置いても邪魔にならない「DeskMeet」のメリットは大いにある。
さらにマザーボードや電源ユニットがセットになったベアボーンのため、価格次第ではコストパフォーマンス面でも優位に立てそうだ。
そして「DeskMeet X600」が登場したことで、最新CPUはもちろん4スロット分のDDR5メモリやPCI Express 5.0対応SSD、2.5ギガビットLANが運用できるなど、一段上のマシンスペックが構築できるようになった。
搭載できるグラフィックスカードも200mmに制限されるとは言え、意外なほど該当するカードは多く、パーツチョイスにそれほど難解さはない。今回はあえてグラフィックスカードなしのAPU環境で検証を行ったが、それも選択肢の一つ。もっともその場合も単に空きスペースにするのではなく、大容量HDDやラジエーターを組み込むなど、8リットルの筐体をうまく使い切る構成をチョイスするべきだろう。
提供:ASRock Incorporation