エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1410
2024.04.06 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
「ゲーミング空間を一変させます」をキャッチコピーにデビューを果たしたミドルタワーPCケース「North」がリリースされたのは、2022年12月16日のこと。象徴となるフロントパネルの木材の使用は「インテリアへの融合」にも成功し、国内外で定番機種になった。この成功モデルをフルタワー化させたのが、今回取り上げる「North XL」シリーズだ。
Fractal Design「North XL Charcoal Black」(型番:FD-C-NOR1X-01) 市場想定売価税込38,500円前後(2024年3月15日発売) 製品情報(Fractal Design / 株式会社アスク) |
「North XL」はE-ATX対応として「North」を大型化した筐体ではあるものの、スケールアップした分だけ基幹パーツの居住性は向上している。のちに詳しく触れる事になるが、マザーボードトレイが広くなった恩恵で周辺クリアランスに余裕が出たり、冷却ファンの構成もプラスに進化している。なにより内部容積が広くなれば組み込み易くなる一方で、各構成パーツ間の距離が長くなり、ケーブルの長さや配線の仕方にもひと工夫が必要になる場面があるだろう。
North XLを知るには、まずミドルタワー版Northの検証記事を今一度読み返して欲しい。それがNorth XLを理解する上での近道になるはずだ。
North XLのバージョンラインナップを確認してみよう。今回検証を行う「North XL Charcoal Black」には、ホワイト色の「North XL Chalk White」(型番:FD-C-NOR1X-03)が用意されている。両者の違いはボディカラーはもとより、フロントパネルの格子にはブラック色でウォールナット(クルミ科クルミ属)、ホワイト色でオーク(ブナ科コナラ属)のそれぞれ異なる素材が使用されている。
今回検証を行う「North XL Charcoal Black」のホワイトバージョン「North XL Chalk White」 |
ラインナップは左サイドパネルの違いで「メッシュサイドパネル」と「強化ガラス」の2種類展開。いずれも2色を用意し、合計4機種から選択できる。ちなみに国内代理店の株式会社アスク(本社:東京都千代田区)によるアナウンスでは、市場想定売価は全モデル一律税込38,500円前後とされ、価格差が設けられていない点は珍しい。
North XL Charcoal Black(FD-C-NOR1X-01) | North XL Chalk White(FD-C-NOR1X-03) |
North XL Charcoal Black TG Dark(FD-C-NOR1X-02) | North XL Chalk White TG Clear(FD-C-NOR1X-04) |
次にスペック表から、North XLの製品概要を把握しておく。なおスペック表は基本的に株式会社アスクの製品サイトの表記に準拠している。またサイドパネルタイプの違いで設計上における相違点はない。
ケースタイプはフルタワーで、対応マザーボードはE-ATX(最大幅330mm)、ATX、MicroATX、Mini-ITX、SSI-CEB、SSI-EEB。この豊富な種類から、ミドルタワーPCケースとの違いを感じさせる。
なお外形寸法は幅240mm、奥行き503mm、高さ509mm。ミドルタワー「North」と比較すると、幅で+25mm(215mm)、奥行きで+56mm(447mm)、高さで+40mm(469mm)と、それぞれ大型化されている。なお本体重量はメッシュサイドパネルモデルが9.7kg、強化ガラスモデルが9.5kgで、その差は僅か。パッケージ寸法は共通で、幅355mm、奥行き604mm、高さ608mm。付属品および緩衝材を含めた総重量は11.9kg(強化ガラスモデル:11.7kg)となり、店頭購入の場合はカートが必須だろう。