エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1410
2024.04.06 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
次に電源ユニットの搭載を試みる。おさらいすると割り当てられた有効スペースは、出荷時のドライブトレイ2基搭載時で奥行き175mmまで。これを踏まえた上で、奥行き140mmのZALMAN「ZM1200-TMX2」(幅150mm、奥行き140mm、高さ86mm)を用意した。
搭載方法はハンドスクリュー2本でリアに固定されている枠に、電源ユニット本体をインチネジ4本で固定。後方からボトムカバー内部へ滑り込ませてネジ留めするだけで完了する。
後方からのスライド着脱式は、モジュラーコネクタの抜き挿しが容易。構成パーツの増設時など、電源ユニットを本体ごと取り外す必要がない |
搭載後のクリアランスを計測すると、隣接するドライブトレイまで約60mmを残した。最もドライブトレイに3.5インチHDDを固定したところで、底面からの全高は実測で45mm。ZM1200-TMX2の下段モジュラーコネクタは35mmで、その差は僅か10mmしかない。純粋なクリアランスとは言えないし、組み合わせる電源ユニットのケーブル(コネクタ)に依存するものの、うまくすれば伸びたケーブルはドライブトレイ上の3.5インチHDDを避ける事ができそうだ。
ドライブトレイに3.5インチHDDを搭載した状態でも全高は底面から45mmと低く、この構成でケーブルの邪魔になるような事はなさそうだ |
CPUクーラー有効スペースは実測で約190mm確保できているため、ハイエンド志向の大型CPUクーラーも楽に搭載できる。そして大型サイズを生かした長尺ラジエーターのサポートも大いにキニナルところ。そこで今回はオールインワン型水冷ユニット、Thermaltake「TH420 ARGB Sync V2」(型番:CL-W376-PL14SW-A)を用意した。
そう単純ではないが、一般的にラジエーターサイズが大型化すれば、それに比例して冷却性能は高くなる。最大420mmサイズラジエーターが搭載できる設計は、North XLを選択する理由になり得るだろう。
ラジエーターの外形寸法は幅139mm、長さ456mm、厚さ27mm。フロント標準装備の140mmファン3基と換装する格好で組み込みを行っている |
シャーシ内側に27mm厚ラジエーターを固定すると、ボトムカバーのカット部までは約60mm(最大部)。これなら冷却ファンもシャーシ内側にマウントできそうだ |
フロント部への420mmサイズラジエーター固定には、やや手こずる場面があった。大型PCケースとは言え、シャーシ内側のラジエーターおよび外側の140mmファン3基はかなりタイトなスペースにネジ留めを行う。ラジエーターの設計によって全てのネジが留められない可能性は十分にありそうだ。マニュアルに搭載可能なネジピッチが開示されている理由が理解できた。
ラジエーターに接続したウォーターチューブがトップパネルの前寄りを占有するため、増設できる冷却ファンは最大2基まで。換装したフロント140mmファン2基の移設が最も有効な使い方だろう |