エルミタ的「編集部で使ってみた」
2024.04.10 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
さて準備が一通り完了したところで、ここからはいよいよ「BRIDGE CAST X」を使い、実際にゲームを配信していきましょう。今回のテストでは「配信用PC」の他に、ゲームをプレイする「ゲーム用PC」をHDMI IN 1に、コンシューマゲーム機として「Nintendo Switch」をHDMI IN 2に、音声入力用のマイクおよび配信音声をモニタリングするため3.5mmステレオミニプラグのヘッドセットをPHONES/HEADSETに接続しています。また配信用のソフトウェアは「OBS Studio」、配信プラットフォームには「Twitch」を使用し、「OBS Studio」の配信設定はあらかじめ済ませた状態で検証を行っています。
まず「OBS Studio」から「BRIDGE CAST X」をキャプチャユニットとして認識させる必要があります。設定する前に本体の「USB OUT」ボタンを押してから、「ソース」ドックにある「+」ボタンを押して、「映像キャプチャデバイス」を選択。その後、デバイスの一覧から「Roland BRIDGE CAST X」を選択すれば映像ソースとして認識されるようになります。
「OBS Studio」で「BRIDGE CAST X」をキャプチャユニットとして認識させる場合、「USB OUT」ボタンをあらかじめ押しておく必要がある |
ソースの名称にはわかりやすい名前をつけておく。今回は製品名の「BRIDGE CAST X」を指定した |
デバイスから「Roland BRIDGE CAST X」を選択して「OK」ボタンを押せば設定は完了 |
設定に問題がなければ「ゲーム用PC」の映像が「OBS Studio」内に表示される |
「BRIDGE CAST X」をキャプチャユニットとして認識させることができれば、後は「OBS Studio」の「コントロール」ドックにある「配信開始」ボタンを押せば、「Twitch」にゲームの動画を配信できます。配信中でもHDMI IN 1/HDMI IN 2の切り替えは即座に行うことができ、「CONTROL PAD」にショートカットを設定しておけば、配信の開始・停止や録画の開始・停止をワンタッチで行うことができます。
「配信開始」ボタンを押すと「BRIDGE CAST X」でキャプチャした映像が配信される |
配信中でもHDMI IN 1とHDMI IN 2の入力切り替えが可能 |
配信中は「BRIDGE CAST X」のノブを使って音声の出力を調整できる。なお今回はゲーム側の音声をHDMIで入力しているため、一番右側の「GAME」は不使用になる。そこで「BGM CAST」で流している音楽を調整できる「MUSIC」に変更した |
「ゲーム用PC」ではヴァロラントをプレイしていたため、「GAME」タブのプリセットは「VLRT」を選択している |
「CONTROL PAD」タブで、PAD 5に「CTRL+ALT+1」、PAD 6に「CTRL+ALT+2」のショートカットキーを割り当てた |
「CONTROL PAD」タブで設定した内容を「OBS Studio」のホットキーに指定すれば、配信開始・停止や録画開始・停止が「CONTROL PAD」から行えるようになる |
なお「BRIDGE CAST X」を使った入力デバイスの切り替えやボイスチェンジャー、音量の調整方法については以下の動画にまとめていますので、合わせて参照してください。
今回は、もともと定評のあったオーディオミキサー機能に加えて、キャプチャ機能が追加された「BRIDGE CAST X」を使って実際にゲームの配信を試してみました。筆者はオーディオミキサーを使うのが初めてということもあり、仮想オーディオデバイスの設定で少々戸惑うことがありました。
特に配信環境を構築する際には「BRIDGE CAST X」のハードウェア側だけでなく、OSや配信ソフトなどソフトウェア側の設定も必要になるため難解に感じるかもしれません。もし「BRIDGE CAST X」を購入して設定に迷ったらこのレビューを参考にしてください。
とは言え、一旦設定が完了すれば動作は安定しており、廉価版のキャプチャユニットにありがちな認識が不安定だったり、PCを再起動しないと映像が入力されないといった症状は一度もありませんでした。さらに充実したオーディオ機能や「Stream Deck」風の「CONTROL PAD」も実装され、これ一台あればゲーム配信で困ることは無いでしょう。
これからゲーム配信をはじめたいという人はもちろん、すでに配信をしていてワンランク上の環境を揃えたいという人にもおすすめできる製品です。
協力:ローランド株式会社