エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1416
2024.04.30 更新
文:編集部 池西 樹
「T-FORCE Z540」では、発熱が多いPCI Express 5.0(x4)コントローラや、高速なNANDフラッシュを効率よく冷やすため、グラフェン素材で作られた超薄型ヒートシンクが付属している。そこで、テストセッションのラストは「X670E Taichi」に標準装備されているM.2ヒートシンクと、以前検証をお届けしたファン付きクーラー「T-FORCE Dark Air Flow I」を使い、超薄型グラフェンヒートシンクのあり、なしでどのくらいSSDの温度が変わるのかチェックしてみることにした。なお負荷テストは「CrystalDiskMark 8.0.4」をデータサイズ64GiBにして、3回連続で実行している。
「X670E Taichi」にはファン付きクーラーも付属しているが、今回は標準装備されているM.2ヒートシンクを使用した |
グラフェンヒートシンクなしの「CrystalDiskMark 8.0.4」結果 | グラフェンヒートシンクありの「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 |
まずマザーボードに標準装備されているヒートシンクの結果を確認すると、さすがにPCI Express 5.0(x4)SSDの発熱を処理するには冷却性能が不足しているため、グラフェンヒートシンクのあり、なしで温度に明確な違いは出ていない。また転送速度はいずれもサーマルスロットリングが発生しており、読込・書込とも大きく低下している。
グラフェンヒートシンクあり:アイドル時のサーモグラフィ | グラフェンヒートシンクあり:高負荷時のサーモグラフィ |
またサーモグラフィの結果を確認すると、コントローラのある部分の温度が最も高く、離れるにしたがって温度が低くなる順当な結果になった。ちなみに高負荷時は最高温度が60℃を超えており、ヒートシンクは触れないほど熱くなっていた。
ファン付きクーラー「T-FORCE Dark Air Flow I」を搭載した状態でも計測を実施した |
グラフェンヒートシンクなしの「CrystalDiskMark 8.0.4」結果 | グラフェンヒートシンクありの「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 |
続いて、ファン付きクーラー「T-FORCE Dark Air Flow I」搭載時の結果を確認すると、グラフェンヒートシンクを貼り付けることでコントローラの熱を効率よくヒートシンクへと移動できるようになり、温度上昇は緩やかになった。さらに最高温度は63℃→54℃へと9℃も低下し、十分な冷却性能のあるクーラー(およびヒートシンク)ではその効果は非常に大きいことがわかる。
グラフェンヒートシンクあり:アイドル時のサーモグラフィ | グラフェンヒートシンクあり:高負荷時のサーモグラフィ |
サーモグラフィの結果を確認すると、冷却ファンによって強制的にヒートシンクを冷やすことができるため高負荷時でも全体的に温度は低め。PCI Express 5.0(x4)SSDでも「T-FORCE Dark Air Flow I」であればその発熱を完全に抑え込むことができる。
Teamブランド初のPCI Express 5.0(x4)対応NVMe M.2 SSD「T-FORCE Z540」だが、シーケンシャルアクセスは読込、書込ともほぼ公称値通りのパフォーマンスを発揮する。さらに初物ながらファームウェアもしっかり最適化され、データサイズやベンチマークの種類に関係なく常に安定した転送速度を発揮できるのも評価できるポイントだ。
そして薄型グラフェンヒートシンクについては、ファン付きクーラー「T-FORCE Dark Air Flow I」を使用した場合、SSDの温度を最大9℃も下げることができた。今回はファンの回転数をフル回転にしてチェックを行っているが、サーマルスロットリングが発生するまでは20℃以上の余裕があることから、回転数を抑えた運用も可能だろう。グラフェンヒートシンクが付属する「T-FORCE Z540」と「T-FORCE Dark Air Flow I」のようなファン付きクーラーを組み合わせることで、高い転送速度を維持しながら、静音性にもこだわったPCを構築することができる。
提供:株式会社TEAMジャパン