エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1417
2024.05.02 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
最後は「Lepton Hydro WSX670A」の消費電力を振り返り、各種検証を締めくくろう。各種ベンチマーク・耐久テスト時の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時として、それぞれワットチェッカーによる計測を行った。
ハイエンドパーツで固めた構成らしく、アイドル時でも90Wほどとそれなりの消費電力。高負荷時は850Wの電源ユニットを搭載したシステムとして、負荷率70%程度の609Wまで上昇していた。電源容量のマージンは標準構成でも十分だが、さらに余裕をもたせたい場合は1000Wなど上位の容量を選択してもいい。
用途次第ではNVIDIA RTX 6000 Ada匹敵のパフォーマンスが期待できるGeForce RTX 4080 SUPERを標準で搭載するなど、プロフェッショナル向けに恥じないスペックを備える「Lepton Hydro WSX670A」。しかし耐久テストを含め実際に動作させた後では、デュアル水冷構成のワークステーションという、独特な仕様がスペック以上に大きな恩恵をもたらすことが実感できた。
最大で12時間もの長時間に渡る検証でも動作温度は常時安定、その影響がまったくと言っていいほど変動がないテストのスコアにも表れていた。長時間の安定した動作が必要となるプロフェッショナル向けのワークロードには欠かせない要素であり、それを実現しているのがデュアル水冷仕様というわけだ。
デュアル水冷のパイオニアとして、水冷を知り尽くしたサイコムだからこそという特別な構成のワークステーション。しかもそれをミドルタワーのサイズ感で実現する、使い勝手の良さも見逃せない。高性能でなおかつ冷却を重視しながら、驚くほど静かに動作する点もお見事で、サイコムらしい見どころの多いマシンだった。
提供:株式会社サイコム