エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1420
2024.05.10 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ここからは構成パーツを用意し、実際に組み込み作業を行ってみよう。特徴的な外観と、その延長とも言える内部構造の独自設計は、一般的なPCケースに比べ組み込み作業にどのような違いがあるのか。また構成パーツ搭載後の周辺クリアランスや、作業を行う際の注意点、気が付いた事などを詳しく解説していく。
まずはマザーボードを搭載してみよう。The Tower 300はMicroATX/Mini-ITXマザーボードに対応するので、搭載テストにはGIGABYTE「B760M AORUS ELITE X AX」を用意した。マザーボードトレイには予め8本のスタンドオフが装着されているが、うち中段の2本は段差付きで、マザーボードを固定する際の位置決めがしやすくなっている。なおマニュアルによると、使用ネジは「Screw #6-32 x 6mm」(インチ)x8本と記されている。
今さらだが、マザーボードは「90°回転レイアウト」が採用されているため、バックパネルが上向きになる。なお組み込み後の周辺クリアランスを計測すると、上方向約70mm、下方向約35mm、左方向約15mm、右方向約70mmだった。
マザーボードの搭載が完了したところで、CPUクーラーの有効スペースとCPUクーラーメンテナンスホールを計測してみよう。
CPUクーラーの有効スペースは高さ210mmまで。さすがに200mmを超える空冷クーラーは”稀中の稀”なので実測するまでもないが、念のためCPUの上にレーザー距離計を設置し、正面の強化ガラスパネル内側に貼り付けたマーカーまでを計測してみた。結果、デジタルは212mmを表示し、ほぼ公称値通りである事が分かった。
次にマザーボードトレイ背面に回り、CPUクーラーメンテナンスホールの様子を見ておこう。カットアウト部は実測で幅約135mm、高さ約170mmだった。搭載テストのマザーボードはLGA1700だが、ソケット四隅のCPUクーラーマウントホールも露出できており、大型バックパネルも十分に露出できるだろう。
次に電源ユニットの搭載を試みた。検証用機材には昨年9月に発売されたThermaltake「TOUGHPOWER PF3 1050W」(型番:PS-TPD-1050FNFAPJ-3)を用意した。容量1,050Wの80PLUS PLATINUM認証を取得したフルモジュラータイプで、120mm(FDB)ファンを実装。奥行きを140mmに抑えられている。なお電源ユニットの有効スペースは奥行き220mmまで。
まず搭載方法だが、後方に4本のネジで装着された枠(PSU用ブラケット)を外し、これに電源ユニットをインチネジで固定。元の位置に戻してネジ留めをすれば本体の搭載作業は完了する。マウントするボトム部中央はモデル特有のポジションだが、搭載方法は思いのほかオーソドックスで、作業に戸惑う事はなさそうだ。なお、奥行き140mmの電源ユニットに対し、フロントパネルまでのスペースは実測で約120mmを残している。
電源ユニットを囲むブラケットを外した状態で搭載作業を行った。周辺にはずいぶんと空間がある事が分かる |
通気孔仕様のフロントパネル下部を取り外せば、電源ユニットを外さなくてもモジュラー式コネクタの抜き挿しができそう |
この段階で主要ケーブル類の接続を済ませておこう。ただし途中で配線の見直しに見舞われる可能性はゼロではないため、結束バンドを駆使したガチガチの配線は控えておく |