エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1422
2024.05.18 更新
文:編集部 池西 樹
続いて「DeskMini X600」に標準で付属する専用CPUクーラーの冷却性能をチェックしていこう。ストレステストには「Cinebench 2024:Minimum Test Duration:30 minutes」を使用し、CPU温度やPackage Power、ファン回転数は「HWiNFO 64」で計測を行っている。
テスト開始直後はブースト機能が働き、Package Powerは最大88W、動作クロックも4.5~4.6GHzに引き上げられるため、CPU温度は90℃で張り付いた状態だった。しかし、ブースト機能が解除されPackage Power 65Wの定格駆動に移行したあとは、CPU温度も80℃前半まで低下しており、付属CPUクーラーでも冷却性能が不足することはなかった。
テストセッションのラストはRyzen 7 8700Gを組み込んだ「DeskMini X600」の消費電力をチェックしていこう。こちらもストレステストには「Cinebench 2024:Minimum Test Duration:30 minutes」を使用し、テスト中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時として計測を行った。
デスクトップ向けのハイエンドCPUを使用しているにも関わらず、アイドル時の消費電力はわずか16.8Wにとどまり、省電力性能はまさに圧倒的。常時起動しているPCを組む場合にも、「DeskMini X600」は大いにおすすめできる。またCPUがフルロードする高負荷時の消費電力も110W前半で頭打ちになり、120WのACアダプタ駆動でも電源容量が不足することはなかった。
容量わずか1.92リットルサイズながら、Socket AM5のRyzenに対応するASRock「DeskMini X600」。今回はRyzen 8000Gシリーズの最上位モデルRyzen 7 8700Gとの組み合わせを試してきたが、12基のGPUコアを備えるRadeon 780Mを内蔵していることもあり、これまでの「DeskMini」シリーズとは一線を画すグラフィックス性能を発揮する。
またRyzen 7000シリーズに内蔵GPUが追加されたことで、よりコア数の多い12コア/24スレッドのRyzen 9 7900が選択できるのも大きなメリット。CPUパフォーマンスを重視する人にとっても魅力的な選択肢になるだろう。
唯一USB Type-Cが帯域幅5GbpsのUSB 3.2 Gen 1接続に制限されているのは残念だが、気になる欠点はそれぐらい。これまでの製品に比べてACアダプタも大幅に小型化され、設置スペースが削減された「DeskMini X600」は、まさに小型ベアボーンキットの決定版といえる製品だった。
提供:ASRock Incorporation