エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1427
2024.05.31 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ここから見て行くのは、C3のエアフローレイアウトだ。270° FULL-VIEWに必須な強化ガラスの採用は、事実上エアフローを一部犠牲にしている面がある。素材の特性上、通気孔および冷却ファンの増設ができず、この影響をモロに受けるフロントパネル(前面)からは、フレッシュな外気を取り込む事ができない。ある意味筐体内冷却の軸が狂うピラーレスデザインPCケースは、各社冷却面での工夫が課題になっているようだ。
そこでC3ではどのような解決策を施しているのだろうか。冷却ファン搭載スペースおよびラジエーター搭載スペースの全てをチェックしていこう。
多くのピラーレスデザインPCケースが”フロントパネルの代替え地”として採用しているのが、右サイドファンだ。ここには出荷時より120mmファン3基が標準で装備されている。LED搭載のARGBファンは、外気を取り込む重要な役割を担い、通常とエアフロー方向が逆になる「Reverseファン」を採用。イルミネーションでユーザーを楽しませつつ、冷却面で最も重要なポジションを担っている。
なおラジエーターは120mmおよび240mmサイズに対応。360mmサイズはリストから除外されている事を覚えておこう。
長尺ラジエーターを搭載するなら、トップパネルで決まりだ。オプションながら、ハニカム状の天板と120/140mm用のスリット穴を備え、120mmなら最大3基、140mmなら最大2基が搭載可能。ラジエーターは120/140/240/280/360mmサイズがマウントできる。
リア排気には120mmファン1基が標準で装備されている。こちらは右サイド同様、ホワイト色のブレードながらARGB LEDは搭載されていない。CPUソケットおよびマザーボードの電源周りといった熱源の熱を常時排出する役割は、システムの安定動作には欠かせない存在になる。なおラジエーターは120mmサイズのみ対応で、ネジ穴はスリットタイプにより固定位置の微調整ができる。
斜めの傾斜が特徴のボトムカバー。サイドファンの120mmサイズに合わせて設けられた底面スペースには、120mmファンが1基増設可能。底面からフレッシュな外気を取り込む事ができる。なお出荷時、このスペースにはシャドウベイユニットがネジ留めされている。Antecではシャドウベイ有効時を「Multi Hard Drive Mode」、これを外して冷却ファンを増設する場合は「High Airflow Mode」と名付け、2つのスタイルを任意選択できるようにしている。ストレージ収納力と冷却ファンのトレードオフだが、ここはユーザーの選択次第だ。
マザーボードトレイ背面には「ARGB & PWM Fan Controller」が標準で装備されている。ARGB LED搭載ならなおさら、冷却ファンの搭載数(または搭載可能数)が多いほど、ケーブル/コネクタが増え、PCケース内部は煩雑な状況に陥りやすい。さらにマザーボード上の冷却ファンコネクタ数も、場合によっては数が足りなくなる。高冷却志向のPCケースであればARGB & PWM Fan Controllerのようなハブは必須だろう。
幅約30mm、高さ約90mmの基板にコネクタを複数装備。画像では全てのケーブルが外された状態だが、出荷時は標準搭載ファン全てがここに接続されている |
縦長の基板はマザーボードトレイ背面にネジ留めされており、出荷時は上部に「Reset LEDスイッチコネクタ」が接続済み。下部には右手にSATA電源コネクタケーブル、左手にはARGBコネクタケーブルおよびPWNファンコネクタケーブルが接続され、これらをマザーボードのコネクタに接続する。
なお基板右手は3pin ARGBコネクタが6口、左手には4pin PWMファンコネクタが6口装備されている。