エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1430
2024.06.21 更新
文:編集部/撮影:pepe
ここからは実際にゲーミングPCに「G2422C」を接続して、その特性やパフォーマンスを検証していこう。なおテスト用のPCには、Core i7-13700KFとGeForce RTX 4080を搭載するMSIのハイエンドモデル「Aegis Ti5 13NUG-257JP」を使用した。
「G2422C」ではコントラスト比3,000:1のVAパネルを採用しているため、メリハリのある美しい映像でゲームや動画を楽しむことができる。左右端は角度に対する色味の変化はやや大きいものの、湾曲ディスプレイは基本中心から見ることになるため大きな影響はないだろう。またパネルサイズが23.6型とコンパクトなため、30型以上のモデルのような圧倒的な没入感とまではいかないが、フラットパネルに比べればゲームに集中できる。さらに全体を見渡す場合でも視線の動きが最小限に抑えられるのも大きなメリットだ。
ホラーゲームなどの暗いシーンが多いゲームや、明暗差が大きいゲームでは、暗部の視認性を改善する「ナイトビジョン」を積極的に活用していきたい。一般的な輝度調整機能と違い、暗いシーンを重点的に補正するため、ゲームの雰囲気を損なうことなく視認性を高めることができる。
ちなみに今回は「バイオハザード RE4」の室内の映像でテストを行っているが、「最も強い」設定では画面がやや白浮きしてしまう。一方で、「A.I.」設定にすると視認性を十分確保しつつコントラストも強化できるので個人的にはオススメの設定だった。
リフレッシュレートの違いを体感するため、レースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイ機能を使用し、リフレッシュレート60Hz/144Hz/180Hzで比較をした。なおテストではディスプレイ同期を有効化し、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
最も一般的な60Hzと比較すると144Hzおよび180Hzでは明らかにコマ送り感が減り、映像が滑らかに表現できている。さらに144Hzと180Hzを比較すると、60Hzに比べると差はわずかだが確実に違いはある。一瞬の判断が勝負を分けるFPSゲームやバトルロイヤルゲームでは間違いなく力を発揮してくれるだろう。またハイエンドモデルに搭載されているRAPID IPSやRAPID VAパネルに比べると若干残像感はあるものの、高速なリフレッシュレートのお陰で気にならないレベルだった。
続いてディスプレイ同期を無効にすると、どのような影響が出るのか見ていこう。リフレッシュレートは180Hzに設定して、ディスプレイ同期を有効および無効にした状態をデジタルスチルカメラのスーパースローモーションで撮影した。
ディスプレイ同期を無効にすると水平方向にせん断されたようなズレが細かく発生しているのが確認できる。リフレッシュレートが180Hzと高速なため、スロー再生でも確認できるのは一瞬だが、タイトルによってはゲームプレイに影響が出る可能性がある。安定したフレームレートが維持できるPCを使用しているなら、ティアリングやスタッタリングを解消できるディスプレイ同期技術は有効にしておきたい。
「G2422C」はエントリー向けモデルとあって抜きん出たスペックを備えているわけではないものの、とにかくコストパフォーマンスの高さが際立っている。検証で確認した通り、リフレッシュレートが144Hzを超えると目立って滑らかさが向上するため、180Hz駆動に対応する「G2422C」のアドバンテージは大きい。
視線の動きを最小化できる湾曲パネルを採用しつつ、ワンランク上のスペックが2万円台前半で手に入る。コスト面を意識しつつバランスのとれた性能を求めるユーザーにとって、まさに「G2422C」はドンピシャな選択肢だ。
ナイトビジョンやアイケア機能など基本的な機能は揃っており、メリハリの効いた映像表現が可能な点はゲームだけでなく動画コンテンツを楽しむ上でも役に立つ。コンシューマゲーム機の120Hzプレイも可能なことから、複数デバイスのディスプレイを1台で済ませたい向きにもグッド。23型サイズのフルHDという環境をベースにゲーミング液晶を検討するなら、まず「G2422C」をチェックしておくべきだろう。
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社