エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1432
2024.06.26 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:pepe
「Call of Duty」シリーズの最新作「Call of Duty:Modern Warfare III」のゲーム内ベンチマーク結果を確認していこう。「グラフィックのプリセット」は「極限」、「アップスケーリング/シャープニング」は「NVIDIA DLSS」、「パストレーシング+レイ再構成」と「NVIDIA DLSSフレーム生成」は「オン」に設定し、解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類で計測を行っている。
4K解像度でも平均フレートは60fpsで、スタンダードな液晶ディスプレイなら全く問題なし。またWQHD解像度やフルHD解像度では、100fpsを大きく超えることから144Hzクラスのゲーミング液晶を組み合わせたい。
ゲーム系ベンチマークのラストは、オープンワールド型アクションRPG「Cyberpunk 2077:Phantom Liberty」のゲーム内ベンチマーク結果を確認していこう。解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類。「クイックプリセット」は「レイトレーシング:ウルトラ」、「解像度スケーリング」は「DLSS Super Resolution」、「DLSS Super Resolution」は「バランス」、「DLSS Frame Generation」は「オン」に設定している。
AAAタイトルの中でも特に重いゲームということで、正直WQHD解像度まではDLSSを有効にしてもレイトレーシングでの描画は厳しい状況だ。ただし、フルHD解像度では平均60.9fpsまでフレームレートが改善し、レイトレーシングを有効にしてもゲームを楽しめるようになる。
ゲーム系のベンチマークが一段落したところで、ストレステストを使って冷却性能と静音性をチェックしていこう。なおCPUのストレステストには「Cinebench 2024:Minimum Test Duration:10 minutes」、グラフィックスカードのストレステストには「3DMark Steel Nomad Stress Test」を使用し、動作クロックや温度は「HWiNFO64」で計測した。
まずCPUの挙動を確認すると、テスト開始直後はPL2動作になるためPackage Powerは126W、Pコアのクロックは4.8GHz前後、Eコアのクロックが3.5GHz前後まで上昇し、CPU温度は最高で95℃に達する。ただし、その後PL1動作になりPackage Powerが65Wに落ち着くとCPU温度は80℃前後まで低下する。この挙動を見る限り、PL1=65W、PL2=126Wという設定はリテールクーラーの冷却性能に合わせた無理のない最適な組み合わせと言えるだろう。
またグラフィックスカードの挙動を確認すると、2スロット厚のデュアルファンクーラーということもあり、GPU温度は80℃前後、HotSpot温度は95℃前後とやや高め。とは言え、GPUクロックは2,600MHz前後で安定して推移しており、冷却性能が不足することはないようだ。
アイドル時の動作音は暗騒音+1.1dBAで深夜のテストにも関わらずほとんど無音に近い状態だった。そしてストレステスト時の動作音を確認するとCinebench 2024実行時が37.9dBA、Steel Nomad実行時でも38.6dBAで、40dBAを超えることはなかった。静音性は良好で、デスク上に置いても風切音はほとんど気にならないだろう。
最後に「Katamen-430147」の消費電力をチェックして、検証を締めくくろう。高負荷時の数値はストレステスト実行時の最高値、アイドル時は起動後10分間何もせず放置した際の最低値を採用している。
「Cinebench 2024」の最高値はPL2動作時で221.5W、PL1動作に移行したあとは162.5Wで、ほぼ設定値通りの差が出ている。またGPUに強烈な負荷が掛かる「3DMark Steel Nomad Stress Test」実行時でも消費電力は最高237.45W止まりで、650Wの電源を搭載している「Katamen-430147」で容量が不足する心配はないだろう。
GeForce RTX 4060 Tiに、2世代前のCore i7-12700Fを組み合わせることで、税込15万円台という低価格を実現したアプライド「Katamen-430147」。さすがに第14/13世代の上位モデルには敵わないが、「Golden Cove」+「Gracemont」構成のNon-K版Core i5以下のCPUに対しては、シングルスレッド、マルチスレッドとも上回るパフォーマンスを発揮する。中でもマルチスレッド性能はかなり優秀で、動画・画像の編集や、ゲームの同時配信などを考えている人にとっては魅力的な選択肢になるだろう。
またゲーム性能については、フルHD解像度までならほぼ全てのゲームで高リフレッシュレートな環境が狙える。そして超解像技術を組み合わせればWQHD解像度や4K解像度も十分に視野に入るなどこのクラスの製品としては必要十分。さらにゲーミングPCとしてはコンパクトで設置スペースが少なくて済むのも評価できるポイントだ。
唯一、筆者が気になるのはメモリがシングルチャネル動作である点。ゲーミングPCを謳うならデュアルチャネル構成にして欲しかった。「Katamen-430147」の購入を検討しているなら+7,000円の追加投資は必要になるが、16GB×2の32GB構成にすることを強くオススメする。
提供:アプライド株式会社