エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1434
2024.06.29 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
まずストレステストのトップバッターは、従来からさらに使いやすさを増した「OCCT」の最新バージョン「OCCT 13.0.0」だ。プリセットはCPUとGPUの両方に同時に負荷をかける「Power」をチョイス、テスト時間は30分に設定している。
CPUとGPUの両方をフルロードさせるという、一般的な用途ではまずかかることのない強力な負荷を課すテストとあって、消費電力は最大727Wに達していた。850Wモデルの「TOUGHPOWER GF A3 850W」にとって、85%以上に達する強い負荷がかかっていたことになる。
ATX 3.0規格のデザインガイドにおいて、+12Vは+5%/-7%の変動が許容されている。その点を考慮すると、最も大きく変動しているCPU補助電源でも変動幅が1.5%未満に収まっていることから、十分にブレの少ない挙動と言えるだろう。グラフィックスカードよりもCPUへの給電の方が変動幅が大きいのは珍しいが、これは分岐ケーブルを使用して2系統を出力している影響があるのかもしれない。
次は主にグラフィックスカードへ強い負荷がかかる、3Dベンチマーク「3DMark」のストレステスト「Speed Way Stress Test」を実行する。レイトレーシングなど最新技術を駆使して描画を行うDirectX 12 Ultimate対応テストがベースになっており、GeForce RTX 4080 SUPER搭載環境にはピッタリなストレステストだ。なお、テストは先ほどと同様に30分間連続で動作させている。
ちなみにテスト中における消費電力は、「OCCT」時からやや落ち着いて最大525W。負荷率は60%をやや超えるくらいで、最新環境における重量級ゲームの負荷を想定した検証が行えそうだ。
メイン電源の変動はほとんどなく、CPUに対しても0.5%ほどの下振れに留まっている。最も変動幅が大きいのはグラフィックスカード向けの12VHPWRだが、それでも1%には達しない。途切れずに続く負荷に対してほとんど一定の出力を維持できており、ハイレベルな安定性を備えているようだ。
次はレンダリング系ベンチマークCinebenchの最新版「Cinebench 2024」が搭載する、GPU向けテストを実行。30分間連続して実行する「Minimum Test Duration:30 minutes」に設定し、その際の挙動を確かめることにした。
なお消費電力は最大385Wと控えめで、負荷率は45%だった。軽めの負荷がかかった際も安定した動作が可能なのか、電圧変動の結果を見ていこう。
グラフの波形がかなり激しく上下しているのは、1回のテスト時間が短く繰り返しアイドル状態に戻っているためだ。しかし変動幅を見てみると、最も変動の大きい12VHPWRでも1%を下回る程度しか動いていない。負荷の軽重を問わず安定した動作が可能なことが確認できた。