エルミタ的「編集部で使ってみた」
2024.07.03 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
Thermaltake「Dr.Power III」(型番:AC-069-OO1NAN-A1) 市場想定売価税込7,480円(2024年6月28日発売) 製品情報(株式会社アスク)(Thermaltake) |
まさに待望の登場と言ったところ。Thermaltakeから電源テスターの最新モデル「Dr.Power III」が発売された。電源ユニットをPCレスで診断、異常がないかを手軽にチェックできるツールで、カテゴリとしてはややニッチな部類に入るかもしれない。
しかし販売が開始されるや初日から好調に売れ、あっという間に完売。各店の初回入荷分は早々に店頭から姿を消してしまった。「システム不調時の問題切り分けに役立つため、サポート部署では特に重宝します。パーツショップや代理店・メーカー関係者も買っていたのでは」とはショップ店員の談で、一般ユーザーのみならず業界関係者からも注目を集めていたアイテムであることは間違いない。
店頭における滞在時間が短かった「Dr.Power III」。各店に入荷した初回分は数日で完売してしまった |
そもそも前モデルの「Dr. PowerⅡ」が発売されたのは2011年のこと。その後取り扱い終了を挟みつつ2015年に再販されたものの、それもすぐ完売、しばらく入手不可能な状態になっていた。ニッチなツールだけにメジャーブランドの競合品もなかったことから、新モデルの登場が待たれていたというわけだ。
前モデルの「Dr. PowerⅡ」も玄人向けに人気だった製品。しかし惜しまれつつ数年前に取り扱いが終了していた |
そうした背景から、リリース時点より大いに期待されていた「Dr.Power III」。約10年ぶりに登場した新モデルとあって、現行の自作PC事情を反映した最新仕様に生まれ変わっている。
電源規格はATX12V v3.1に対応するほか、GeForce RTX 40シリーズなどに採用されている12VHPWR用の12+4pinコネクタが追加。12+4pinコネクタは、12VHPWRから信頼性を向上させたPCI Express 5.1規格12V-2×6の計測にも対応している。
COMPUTEX TAIPEI 2024のThermaltakeブースにも展示され、注目を集めていた |
電源ユニットを接続し、ボタンを押すだけでディスプレイに診断結果が表示されるシンプルな使い方は、従来モデル同様。テストモードは、ボタンを押してテスト結果を切り替える「手動モード」と、自動で順番にテストが進行する「自動モード」を備えている。
電圧測定範囲は、+12Vが11.0V~13.0V、+5Vは4.60V~5.40V、+3.3Vは3.04V~3.56V、+5VSBは4.60V~5.40Vという仕様。メーカー保証は3年間だ。
コンパクトなパッケージ。搭載コネクタや測定範囲など、基本的な仕様は裏面に記載されている |