エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1440
2024.07.24 更新
文:編集部/撮影:pepe
ここからは「ROG Strix XG27UCS」をゲーミングPCに接続して、実際の動作を確認していこう。なお検証用のPCには、4K解像度で160Hzのリフレッシュレートに対応する「ROG Strix XG27UCS」の性能を引き出すために、Intel Core i7-13700KFとNVIDIA GeForce RTX 4080を組み合わせたハイエンドゲーミングPCを使用した。
ASUS独自の「Fast IPS」パネルを採用する「ROG Strix XG27UCS」。その応答速度やリフレッシュレートにばかり目が行きがちだが、4K解像度の高精細な表示や、最大約10億7,370万色に対応する10bitカラー、sRGB 130%、DCI-P3 95%をカバーする広色域表示により、美しい映像表現が可能だ。またフレーム端でも輝度やコントラストの低下はわずかで均一性も良好。さらに400cd/㎡の高輝度表示により、描画自体もとても安定している。
「Dynamic Shadow Boost」を有効にすることで、ほとんど何も見えない極めて照度の低いシーンでも視認性を大幅に改善できる。さらに画面の明るさを一律で調整する輝度調整とは異なり、明るい部分と暗い部分の輝度を自動的に最適化するため、白飛びによってゲームの雰囲気を損なうこともない。ちなみに設定は「OFF/Level1/Level2/Level3/Dynamic Adjustment」の5段階に切り替えられるため、ゲームや好みに合わせて使い分けるといいだろう。
続いてレースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用し、リフレッシュレート60Hz/120Hz/160Hzの違いを確認していこう。テストではディスプレイ同期技術を有効化し、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
応答速度が高速な「Fast IPS」パネルを使用しているため、一般的な60Hzの環境でもモーションブラーはほとんど発生せずクリアな表示が可能だ。さらにリフレッシュレートが160Hzになるとより滑らかで残像感もほとんどなくなっている。4K解像度ではゲームタイトルやグラフィック設定によっては160fpsを超えるフレームレートを安定して維持するのは難しいが、せっかく「ROG Strix XG27UCS」を使用するならCPUやグラフィックスカードもできる限りハイエンドなものを用意して、その能力を引き出せるようにしたい。
「ELMB Sync」に対応する「ROG Strix XG27UCS」では、本来は排他使用のディスプレイ同期とモーションブラー低減機能を同時に有効化することができる。そこでリフレッシュレートを160Hzに、ディスプレイ同期を有効にしたままの状態で、「ELMB Sync」の効果を確認してみることにした。
「ELMB Sync」を有効にすると黒フレームが挿入されて残像やゴーストが減り、映像がさらにシャープになっていることが分かる。ただし黒フレームを挿入すると画面の輝度が大きく低下するため、画面がチラついているように感じる人もいるかも知れない。応答速度、リフレッシュレートとも高速な「ROG Strix XG27UCS」では、もともとモーションブラーを感じることはほとんどないため、輝度を犠牲にして利用するかは実際にプレイするゲームタイトルに合わせて検討をしたほうがいいだろう。
4KディスプレイはフルHDやWQHDに比べて圧倒的な広さを体感できるものの、どうしてもリフレッシュレートは控えめになってしまう。その点で「ROG Strix XG27UCS」は、160Hz駆動というゲーミンググレードの水準を満たす、実力派の高速モデル。市場には200Hz以上に対応する製品もなくはないが、ごく一部の高級モデルに限られることから、実質的に最高クラスのスペックを備えていると言っていい。
グラフィックスの美麗さやゲーム世界への没入感が求められるようなタイトルとは、まさに相性抜群。eスポーツ系のタイトルであっても、例えばApex LegendsならGeForce RTX 4070 SUPERクラスを搭載するシステムがあれば、160Hz張り付きのプレイが可能だろう。マシンスペックとプレイタイトル次第で、高解像度とハイリフレッシュレートを両立させたリッチなゲーミング体験が味わえる。
もちろんスペック面の優秀さだけでなく、ゲーミング液晶としてはかなりハイレベルな広色域対応もトピック。その色再現性はファクトリーキャリブレーションで証明されており、クリエイティブワークにも活用できるポテンシャルを備えている。
そのほか、イルミネーションのような派手さはないものの可動域の広いスタンド、スマートフォンを立てかけられるベースなど、機能性の高さも要チェックなポイント。デジタル一眼がマウントできるストリーマー向けの機能もあり、クオリティの高いゲーム配信が手軽に行える点も嬉しい。4Kでしっかり満足できるゲーミング性能がありつつ、使い勝手の良さが光る優秀な一台だ。
提供:ASUS JAPAN株式会社