エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1441
2024.07.26 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
PL1/PL2=181Wの設定でもその能力をフルに発揮することがなかった「ALPHA2 A36 White」。テストセッションのラストは、PL1/PL2をCore i7-14700KやCore i9-14900KのMTPである253Wに設定した状態で検証を行っていこう。
Package Powerは設定値通り253Wで安定しており、CPU温度の平均も80℃前半まで上昇した。とは言え、瞬間的に温度が跳ね上がるスパイク値でも94℃で頭打ち。CPUの許容する最大温度100℃に達することは一度もなく、Core i9-14900KのMTP動作でも冷却性能が不足することはなかった。
PL1=125W/PL2=253W設定時の「Cinebench 2024」スコア |
PL1/PL2=253W設定時の「Cinebench 2024」スコア |
またストレステスト実行後の「Cinebench 2024」のマルチコアテストのスコアを確認するとPL1=125W/PL2=253Wの1,781ptから、2,064ptsへと約16%もスコアが上昇した。ZALMAN「ALPHA2 A36 White」で、KシリーズのCPUを使うならPL1/PL2ともMTPに設定して運用するといいだろう。
ファンの回転数はいずれも公称最大値である約2,000rpmまで上昇していることもあり、ノイズレベルも45dBA前後に達している。ただし、50dBAを超えるものもある360mmサイズラジエーターのオールインワン型水冷ユニットとしては控えめ。また耳障りな高周波成分が少ないこともあり、実際に聞こえる風切音は数値よりも静かに感じた。
360mmサイズラジエーターを搭載した製品の中では、比較的安価な部類に入るZALMAN「ALPHA2 A36 White」。しかし、その冷却性能はCore i9-14900KのMTP動作でも80℃半ばまでしか上がらず優秀だった。あくまでも自己責任にはなるが、Power Limitを無制限に設定して限界を追求するような使い方にも対応できるだろう。
さらに今回検証した「ALPHA2 A36 White」は、ファンやARGBのケーブル・コネクタまで真っ白だけに、ホワイトカラーで統一したPCの構築に向く。一方でケーブルが多い点は少々気になった。例えばデイジーチェーン接続ファンの採用や、USB経由で温度表示だけでなく、LEDの制御も可能にするなど、ケーブルを減らす工夫にも期待したい。
とは言え気になる点はその程度で、高い冷却性能と静音性に加え、温度表示機能やARGB LEDによるイルミネーション機能まで搭載した「ALPHA2 A36 White」は、コストパフォーマンスを重視するユーザーにとって、気になる存在になるはずだ。
提供:ZALMAN
株式会社アスク