エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1445
2024.08.07 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
まずは瞬間的な最高パフォーマンスを計測することができる「CINEBENCH R15」の結果から確認をしていこう。
まずシングルコアテストの結果を確認すると、Ryzen 7 9700X、Ryzen 5 9600Xとも先代モデルから約9%パフォーマンスが向上している。ちなみにCore i7-14700Kと比べるとRyzen 5 9600Xでも10%以上も高いスコアで、新アーキテクチャZen 5のIPCは前評判通りかなり優秀である事がわかる。
続いてマルチコアテストの結果を確認すると、Ryzen 7 9700XやRyzen 5 9600Xでは瞬間的な最大クロックがやや控えめということもあり、先代モデルとの差はRyzen 7 9700Xで約2%、Ryzen 5 9600Xでも約5%だった。またCore i7-14700Kとの比較では、8コアのPコアに加えて、12コアのEコアを搭載していることもあり、Ryzen 7 9700Xでも65%前後のスコアに留まる。
「CINEBENCH R15」よりも負荷が高く、テスト完了までに時間がかかる「CINEBENCH R20」のスコアを確認しておこう。
Ryzen 7000シリーズでは、テストの途中でブースト状態が解除されるため、シングルコアテストではいずれも約13%、マルチコアテストでもRyzen 7 9700Xで約4%、Ryzen 5 9600Xでは約10%と「CINEBENCH R15」よりも差が広がっている。ちなみにCore i7-14700Kとの比較は、「CINEBENCH R15」とほぼ同じ傾向。シングルコアテストでは大きく上回る一方で、マルチコアテストではRyzen 7 9700Xでも約65%前後の性能に留まる。
メニーコアCPUへの最適化が進んでいる「CINEBENCH R23」のスコアを確認しておこう。
「CINEBENCH R20」と似た結果で、先代モデルに比べるとシングルコアではいずれも約12%、マルチコアテストではRyzen 7 9700Xで約4%、Ryzen 5 9600Xで約11%上回るパフォーマンスを発揮した。
「CINEBENCH」系ベンチマークのラストは最新レンダリングベンチマーク「Cinebench 2024」のスコアをチェックしていこう。
先代モデルとの比較ではシングルコアテストで約15%、マルチコアテストでもRyzen 7 9700Xで約8%、Ryzen 5 9600では約13%上回り、これまでのテストでは最も差が広がっている。このことから処理が重く、作業時間が長くなるほどZen 5のメリットが現れてくるようだ。なおCore i7-14700Kとの比較はこれまでと同じで、やはりシングルコアテストでは優位だが、マルチコアテストではEコアがない分大きく引き離されてしまう。