エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1447
2024.08.11 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
次に3500Xのエアフローレイアウトに注目してみたい。ちなみに製品資料の解説セッションには「no compromise cooling」と記されている。強化ガラスにより密閉されているフロントパネルはネガティブにとらわれがちだが、万全に対策が施された”妥協しない冷却”は、3500Xが強調したいセールスポイントのひとつの要素だ。
スチール製トップパネルを取り外すと、シャーシ面には大きくカットされた部分がある。ここには120mmファン3基、または140mmファン2基が増設可能。左側面に沿ってスリットタイプのネジ穴があり、右側面方向には120mmと140mm用それぞれのネジ穴が設けられている。
さらにラジエーターは120/140/240/280/360mmサイズに対応。CPUソケットに近いポイントだけに、オールインワン型水冷ユニットのラジエーターが固定されるケースは多くなるだろう。
右サイドパネルの前方寄り縦列にも、120mmファン3基または140mmファン2基が搭載できる。フロントパネルが強化ガラスだけに、多くのピラーレスデザインPCケースは、この部分に冷却ファン増設スペースを設けている。さらに強化ガラス製左サイドパネルから正対する格好だけに、魅せる要素の高いARGBファン等の搭載は効果的な演出になるはずだ。
そしてトップ部同様、ラジエーターも120/140/240/280/360mmサイズが搭載できる。一般的にエアフローはいずれも外排気になるため、設置箇所は迷うところだが、オールインワン型水冷ユニットの冷却性能を最大限に発揮するにはトップ部設置をオススメしたい。
リア部には120mmファン1基が増設可能。ラジエーターも最もベーシックな120mmサイズラジエーターが固定できるようになっている。ネジ穴はスリットタイプで、設置ポジションの微調整に対応。通気孔は共通でY字型のパンチング加工が施されていた。
なお冷却ファン搭載の是非については、CPUソケットおよびVRM周りの周辺とあって、できれば常時排出による熱籠もりを防ぐ排気ファンは導入しておきたい。
3500Xでは意外にもボトム部(エリア)の冷却ファン増設スペースが充実している。ストンと切り落とされたボトムカバーの前方には140mmまたは120mmファンが1基増設可能。さらにボトムカバーの天板部分にも120mmファンが2基増設可能で、フル装備なら3基の冷却ファンが搭載できる。
ボトムカバー天板部については、内部に高さ86mmのATX規格電源ユニットが搭載されるため、吸排気スペースとしてはタイトになる事は致し方ない |
CORSAIRによる作例によると、フロント寄りの120/140mmファン増設スペースは、フレッシュな外気を常時取り込むエアフロー方向が推奨されている。さらにボトムカバー天板部は、直近のグラフィックスカード方向への吹きつけを想定。いずれもフロントパネルの密閉状態を補完するレイアウトである事が想像できる。