エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1447
2024.08.11 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
最終セッションでは構成パーツを用意し、3500XベースによるPCを実際に組み込んでみよう。なお作業にあたり、両サイドパネルとフロントパネル、トップパネルは全て取り外している。また作業手順はメーカー推奨ではなく、解説の都合を優先している場面もあるので、予めご了承頂きたい。ただし大きくはそれていないため、解説通りの工程でも当然PCを組み上げる事はできる。
まずはマザーボードを搭載してみよう。搭載テストにはATX規格のASRock「Z790 Steel Legend WiFi」(305mm x 244mm)を使用した。搭載方法はいたってシンプル。出荷時より装着済みのスタンドオフに、付属のネジ「MBD / HDD Screws」で合計9箇所をネジ留めしていく。
3500Xは開口部が広いため、作業はしやすかった。記すべき問題もなく、誰もがスムーズに進行できるだろう。また搭載後の周辺クリアランスについては、トップパネルまでが約62mm、フロントパネルまでが約185mm。いずれも空きスペースとしては十分な空間が確保できている。
マザーボードトレイ背面の様子。利用可能なスルーホールに混じって複数の背面コネクタマザーボード向けカットが確認できる |
次にCPUクーラーの有効スペースを計測しておこう。従来通りCPUの上にレーザー距離計を置き、強化ガラス製左サイドパネルの内側にマーカーを貼り、実際の距離を測った。3500Xの公称値は170mmだが、距離計の表示は175mmを指している。+5mmは誤差の範囲内として、公称値は十分にクリアできている事が分かった。
次にマザーボードトレイ背面に回り、CPUクーラーメンテナンスホールのサイズも計測しておこう。なお計測にあたり、多機能なドライブプレートは取り外している。結果は幅約170mm、高さ約125mmで、CPUクーラーマウントホールも完全に露出できている事を確認した。当然ながら、比較的大ぶりなバックプレートでも問題なく利用できるだろう。
3500XはCORSAIRの電源ユニット「RMx SHIFT」との完全互換が謳われている。そこで搭載テストには「RM850x SHIFT」を用意した。以前1,200Wモデル「RM1200x Shift」の詳細検証をお届けしているので概略はそちらをご一読頂くとして、最大の特徴はサイドコネクタインターフェースにある。
通常のモジュラーコネクタの位置は電源ユニットの後方(背面)だが、「RMx SHIFT」は右サイドパネル側にレイアウト。電源ユニット固定後でもモジュラーコネクタが簡単に抜き挿しできる。これを実現するために、モジュラーコネクタ(CORSAIR Type 5 Gen 1 micro-fit PSU ケーブル)は独自に小型化され、利便性と省スペース化を上手に両立させている。
電源ユニット本体の搭載方法については、開放されたボトムカバー右側面から挿入し、背面の4点をインチネジで固定。サイドコネクタインターフェースにより、システムに必要なケーブルを後から抜き挿しすればいい。
なお電源ユニットの有効スペースは奥行き180mmまで。RM850x SHIFTの奥行きは150mmだから、楽に収める事ができる計算だ。
RM850x SHIFT搭載後のクリアランスは、ボトムカバー後方までが実測で約110mm、右サイドパネルまでが約45mmだった |