エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1450
2024.08.19 更新
文:撮影・藤田 忠
ここからは、ROG Allyに換装した「P310」のパフォーマンスを確認していこう。BIOSなどのバージョンが異なるが、一部のベンチマークは、ROG Allyが標準で搭載しているMicron 2400 512GBの計測データも用意している。
今回の換装前後は、最新バージョンのBIOSなどでテストを行っている |
「オペレーティングモード」は手動で、最も高いパフォーマンスに設定。ファン回転制御も手動で冷却重視に調節している |
まずは「CrystalDiskMark 8.0.5」を使って基本のパフォーマンスを確認していこう。
P310 2TBの結果 |
SN770M 1TBの結果 |
Micron 2400 512GBの結果 |
P310 2TBはROG Ally標準搭載のMicron 2400 512GBから、シーケンシャルリードで2,700MB/s、同ライトで4,400MB/sもアップ。これまで使っていたSN770M 1TBからもリード・ライトが向上し、M.2 2230 SSDの最速クラスといえるパフォーマンスを発揮している。
次はUL Benchmarkの「PCMark」と「3DMark」のストレージベンチマークを確認していこう。
「PCMark Full System Drive Benchmark」、「3DMark Storage Benchmark」ともに、P310 2TBがトップのスコアを記録し、スコアはMicron 2400 512GBから約1.6倍も伸ばしている。Average Bandwidthも、PCMark Full System Drive Benchmarkで433MB/s台、3DMark Storage Benchmarkで378.67MB/sと、Micron 2400 512GBから大きく伸ばしている。Average access timeも同様にしっかりと短縮している。
3DMark Storage Benchmarkのテストごとでは、「BattleField V」「Call of Duty: Black Ops 4」「Overwatch」といったゲームタイトルを想定したロードテストで、最高200MB/s台も向上している。さらに読み書き速度が影響するMove gameでは、Micron 2400 512GBの2倍以上も高速な2,400MB/s台を記録している。
冷却機構が限られるポータブルゲーミングPC。パフォーマンスに次いで気になるのがSSDの発熱だろう。ベンチマークの最後は、実際に1時間ゲームをプレイした際のSSD温度を確認した。「ELDEN RING」を解像度1,600×900ドット、「中」画質に設定(「Lossless Scaling」を使用してアップスケーリング)。温度は「HWiNFO64 Pro」を使用して、SSD温度「Drive Temperature [°C]」を記録した。テストはP310 2TBと、SN770M 1TBで行った。
両モデルともにゲームプレイ中の温度は50℃台で推移しているが、P310 2TBは最高でも57℃で、1時間の平均温度も53.69℃と、SN770M 1TBを下回っている。劇的な差ではないとは言え、明確な温度低下が確認できたのは嬉しい。
実測約7,000MB/sの転送速度に、ゲーミングシーンを想定したベンチマークでダントツの最速といえる結果を残したCrucial「P310」は、ポータブルゲーミングPCの換装用としておすすめできる。ただサーマルスロットリングが発生する温度のしきい値は80℃と、これまでのCrucial SSDと同じになっている。そのため最大パフォーマンスを引き出すには、換装するデバイスの冷却機構次第になるという点には注意が必要。それを踏まえた上でも、これからM.2 2230 SSDの換装を考えるなら、最速クラスのパフォーマンスをもつ「P310」は魅力的な選択肢になってくれそうだ。
いま最速を目指してポータブルゲーミングPCや、UMPC、Surface Proを換装するならCrucial「P310」でキマリだ |
協力:マイクロンジャパン株式会社