エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1451
2024.08.23 更新
文:編集部:池西 樹/撮影:pepe
続いて、MSI独自の暗部補正機能「ナイトビジョン」をチェックしていこう。一般的な輝度調整機能では、画面全体が一律で変化するのに対して、「ナイトビジョン」では暗いシーンのみ輝度を調整するため、明るい部分が白飛びすることなく視認性を改善することができる。ちなみに効果は「オフ/通常/強い/最も強い/A.I.」の5段階から選択できる。
実際のテスト映像を見ると「オフ」の状態では暗いシーンがほぼ黒つぶれしているのに対して、「ナイトビジョン」を有効にすると暗い部分が見やすくなっているのがわかる。なお今回検証に使用したゲームでは「通常」ではやや効果が弱く、「最も強い」では全体的に白浮きしてしまう印象だった。そこで「A.I.」設定にしたところ、ゲームの雰囲気を大きく変えることなく視認性を改善することができた。
最後はレースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイ機能を使用し、リフレッシュレート250Hzの効果を確認していこう。テストはリフレッシュレートを60Hz/165Hz/250Hzの3種類に変更し、ディスプレイ同期を有効化にした状態で実施。なお映像はデジタルスチルカメラのスーパースローモーション機能を使って撮影している。
リフレッシュレート60Hzの設定では、映像がコマ送りになるのに対して、250Hzの設定ではスーパースローモーションで撮影しても映像が滑らかなのがわかる。また165Hz設定と比較してもタイヤ部分などではその差が顕著で、現在144Hz~165Hzクラスの液晶ディスプレイを使っている人でも動きの激しいゲームであればその違いを体験できるだろう。さらに液晶パネルに負荷が掛かるオーバークロック動作にも関わらず、視認した限りではゴーストやオーバーシュートは発生しておらず画質が破綻することはなかった。
また消費電力を確認したところ60Hzと250Hzで7Wの差がついた。目くじらを立てるほどではないが、もし気になるなら通常作業時は60Hz、ゲームプレイ時は250Hzに設定するといいだろう。
ゲーミングディスプレイの入門機と言えば、リフレッシュレートは144Hz~165Hz前後、画面サイズも23.8型~27型が一般的だ。
一方で、今回検証した「MAG 32C6X」では250Hzの高速リフレッシュレートに対応し、60Hzとの比較はもちろん165Hzとの比較でも映像は明らかに滑らかになった。解像度も一般的なフルHDのため、GeForce RTX 4060/4060 Tiなどのミドルレンジグラフィックスカードを搭載したPCであれば、十分にディスプレイの性能を引き出すことができるだろう。
そして大型の湾曲パネルでしか得ることができない、迫力のある映像も魅力のひとつ。付属スタンドの調整機能がチルト調整のみなのはやや残念だが、最近ではVESAマウント対応のスタンドやディスプレイアームの価格もこなれてきており大きなデメリットにはならない。現在、エントリークラスの液晶ディスプレイを使っていて、ワンランク上のゲーム環境を構築したいなら「MAG 32C6X」は気になる存在になるだろう。
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社