エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1452
2024.08.29 更新
文:撮影・藤田 忠
「黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)」の内蔵ベンチマークは、フィールド上の移動のみで、肝心のアクションシーンは含まれていない。ここでは解像度と画質設定を厳選して、「GeForce RTX 4070 SUPER 12G GAMING X SLIM WHITE」で、実際にプレイしてみた。解像度は1,920×1,080ドットと2,560×1,440ドットの2種類。画質設定は、「画質レベル:最高」、「スーパー解像度:DLSS」、「フレーム生成:ON」、「サンプリング解像度:100(DLAA)」。さらに「フルレイトレーシング:中」、「サンプリング解像度:70%(クオリティ)」に設定。戦闘を行いつつ、一定ルートを3分程度移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で記録した。
森のなかを進む序盤シーンをプレイしたが、美麗なグラフィックスと、プレイに重要な回避(ジャスト回避)からの攻撃といったアクションを楽しむことができた。ただ、一部のフィールドでフレームレートがガクッと落ち込むといった症状もみられた。これからのゲームアップデートに期待したいところだ。
最後に、画質にこだわらず、1,920×1,080ドットでゲームを楽しむなら、まだ現役で使えるGeForce RTX 2070グラフィクスカードと、「GeForce RTX 4070 SUPER 12G GAMING X SLIM WHITE」のGPU温度や、システム全体の消費電力を確認しておこう。ストレステストには「3DMark:Steel Nomad Stress Test」を使用。システム情報をモニタリングできる「HWiNFO64 Pro」で、GPU温度となる「GPU Temperature [°C]」と「GPU Hot Spot Temperature [°C]」を記録した。同時にストレステスト実行中のシステム全体の消費電力をラトックのWi-Fiワットチェッカー「RS-WFWATTCH1」を使って計測を行っている。
20分近く連続実行される「3DMark:Steel Nomad Stress Test」実行中の最大消費電力は、「GeForce RTX 4070 SUPER 12G GAMING X SLIM WHITE」が、GeForce RTX 2070から60W近くアップした310W台に達しているが。ただし、実際のゲーム性能の差を考慮すればワットパフォーマンスはかなり優秀だ。またGPUコア温度については、ホットスポット、平均ともGeForce RTX 2070よりも低くなっている。
デビューから6年が経過しているが、ゲームタイトル次第では現役なGeForce RTX 2070と、現行のGeForce RTX 4070 SUPERを使って「黒神話:悟空(BlackMyth: Wukong)」の動作を確認してみたが、結果はGeForce RTX 4070 SUPERの圧勝だった。
もともとGeForce RTX 40シリーズのみの最新機能であるDLSS 3や、補完フレームを生成するFrame Generation(フレーム生成)をサポートするゲームタイトルのため、レイトレーシングやDLSSに対応するとは言えGeForce RTX 2070にはやや荷が重いのは事実。ただし、現在主流のDirectX 12ゲームタイトルのパフォーマンスをチェックする3DMark「Steel Nomad」「Steel Nomad Light」のスコアやワットパフォーマンスを考慮しても、そろそろ買い替えを検討する頃合いだろう。
その点、今回検証した「GeForce RTX 4070 SUPER 12G GAMING X SLIM WHITE」なら、「黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)」をフルレイトレーシングの美しいグラフィックで快適に遊ぶことができる。これから新たにPCを組む人はもちろん、グラフィックスカードの買い替えを考えている人にもおすすめだ。
そして、ホワイトカラーにこだわらないなら、GeForce RTX 4070 SUPERを搭載しながら10万円を切るコストパフォーマンスが魅力の「GeForce RTX 4070 SUPER 12G VENTUS 2X OC」を選択するもいいだろう。
MSI「GeForce RTX 4070 SUPER 12G VENTUS 2X OC」。デュアルファン仕様となるが、ゲーミングパフォーマンスは同等だ |
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