エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1453
2024.09.01 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
テストセッションの最後はオーバークロックメモリの動作を確認してみることにした。テスト用のメモリにはDDR5-8000まで対応するKLEVV「KD5AGUA80-80D380G」を使い、メモリタイミングはIntel XMP 3.0の設定に固定して、メモリスピードはDDR5-4800、DDR5-6000、DDR5-7200に加えて、「B760 Pro RS WiFi White」の対応スピードを超えるDDR5-8000の設定でも検証を行った。
DDR5-4800 | DDR5-6000 |
DDR5-7200 | DDR5-8000 |
「B760 Pro RS WiFi White」で対応が謳われているDDR5-7200まではもちろん、DDR5-8000でもOSの起動に問題はなく、「AIDA64 Cache & Memory Benchmark」も完走することができた。ちなみに「CINEBENCH」系のテストもすべて実行してみたが、不安定な挙動を示すことはなくメモリ周りの最適化はかなり進んでいるようだ。メモリのオーバークロックについては、CPUのメモリコントローラなども要因になるため一概には言えないが、かなり高クロックなメモリでも安定動作が期待できる。
そして「AIDA64 Cache & Memory Benchmark」の結果を確認すると、Read、Write、Copyいずれのテストでもメモリクロックが上がるにつれてスコアが上昇しており、その効果は大きい。さらにメモリタイミングはすべて同じ設定で検証をしているが、レイテンシはDDR5-4800とDDR5-8000では約65%へと大幅に低下している
続いて、経験上「AIDA64 Cache & Memory Benchmark」や「CINEBENCH」系のベンチマークよりもメモリのオーバークロックで不安定になりやすい「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」を試してみたが、こちらもすべてのメモリスピードで動作に問題はなかった。スコアもフルHD解像度ではDDD5-4800とDDR5-6000で約6%、DDR5-4800とDDR5-8000では約11%もアップしている。
ホワイトカラー基板を採用する製品とあって、どうしてもその外観に囚われがちだが、マザーボード本来の安定性・信頼性を重視した設計こそ、モデル選定には重要なポイントである事は言うまでもない。
それらを念頭に全ての検証を終えたわけだが、堅牢な電源回路により、Core i7-14700はもちろん、MTPが253WのCore i9-14900Kを搭載した場合でも、その性能を十分に引き出すことができた。さらにメモリ周りの最適化により自己責任の範疇ながら、高クロックメモリとの組み合わせでも動作に不安はなかった。
一方でUSB 3.2 Gen 2×2に非対応である点は残念だが、2.5ギガビットLANやWi-Fi 6E無線LANなど自作PC市場における現在のトレンドはしっかりと抑えている。価格もDDR5対応のATXマザーボードとしては安価なことから、ホワイトカラーの製品を求めている人はもちろん、コストパフォーマンスを重視する人にも納得のいく1枚ではないだろうか。
提供:ASRock Incorporation