エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1454
2024.09.04 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
独自にデザインされた外観は、トップパネルデザインからも想像ができる。通常トップパネルは長方形が一般的だが、FV270 RGBでは両サイドが前方に向かって斜めにカットされている。または絞り込まれていると表現した方が、立体的フロントパネルの様子をよく表しているかもしれない。
トップパネルの素材はスチールで、大部分が円形のパンチング加工による通気孔仕様だ。そしてトップパネルは着脱式で、合計8本(前方2個+左右各3個)のピンでシャーシ天板に固定されていた。なおトップパネルを外すとシャーシ側のトップ面が露わになり、マグネット固定式のダストフィルターが装備されている事が分かる。これをめくれば冷却ファン搭載スペースだが、これについては後ほど詳しく解説しよう。
画像ではあたかもトップパネルが装着されているようにも見えるが、実際にはシャーシ側トップ面の様子 |
パノラマビューデザインを前面に押し出すだけに、左側面には強化ガラス製サイドパネルが装着されている。フロントパネルと同色の強化ガラスは幅約370mm、高さ約500mm。上下部分にはスチール製プレートを装着し、多少の衝撃でもガラスが割れないよう対策が施されている。なおベゼル部は後方が約20mm、上下部分が約30mm。シャーシへの固定は下部に2つのフックを設け、上部にはボール状の突起2つがシャーシ側のキャッチ用留め具でロックするツールフリー仕様とした。
やや色が付いた強化ガラス製左サイドパネル。出荷時には上部に各パネル着脱手順を記したシールが貼り付けられている |
取り外し可能なパネルの全てで採用される、先端がボール状の突起とキャッチ用留め具。重いパネルをしっかりと固定できる留め具はプラスチック製で、2つの予備(保守用)が同梱される |
右サイドパネルはいわゆるソリッドタイプ。スチール製のパネルは下部に通気孔を設け、内部にはマグネット固定式のダストフィルターが装着済み。パネルサイズは実測で幅約360mm、高さ約500mm。下部の通気孔部は幅約315mm、高さ約75mmといったところ。シャーシへの固定は左側面同様のツールフリー仕様とした。
下部のダストフィルターは幅約100mm、長さ約340mm |
背面に回り込み、リアパネルの様子をチェックする。まず上段右手には140mm ARGBファンを備え、左手のカットはマザーボードのバックパネル用。中段には拡張スロット金具が並び、右手の空きスペースも円形のパンチング加工による通気孔として活用されている。そして下段の最も大きな開口部には、ATX規格の電源ユニットがマウントされる。
このようにフロント部分には独自デザインが施されているが、リアはオーソドックスなATX規格のミドルタワーPCケースとなんら変わらない。
本体を逆さまにした状態でボトム面を見る。まず目に付くのはABS樹脂製の大型台座で、空の状態でも14.46kgもあるボディを支え、さらにFV270 RGBの特徴である傾斜を作り出している。そして台座中央部はカットされ、スチール製シャーシのボトム面が露わになっている。ここにはスライド着脱式のダストフィルターが装着され、これを引き出すと底面は通気孔になっていた。
広いFV270 RGBの底面をフォローするだけに、ダストフィルターの奥行きは実測で約420mmもある。これを後方スライド引き出し式としているため、本体設置後の後方にはそれなりのスペースが必要になる。メンテナンス性を考慮するなら、ここは前方スライド式にすべきではないだろうか。
ABS樹脂製台座の底面設置部には、正方形(25x25mm)の滑り止めゴムを装着 | 後方引き出しのダストフィルターは幅約195mm、奥行き約420mm |