エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1454
2024.09.04 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ここからは冷却ファンレイアウトを解説していく。FV270 RGBはピラーレスデザインを採用するとあって、真正面には冷却ファンが搭載できない。そこで多くのピラーレスデザインPCケースが採用する、前方右側面に冷却ファン搭載スペースを設けている。
前方右側の傾斜面に装着されているスチール製パネルを外すと、斜めに2基の冷却ファンが露わになった |
搭載箇所はFV270 RGB特有の傾斜した右斜めの面で、120mmまたは140mmファンが2基搭載可能。FV270 RGBでは出荷時より140mm ARGBリバースファンが2基装備されていた。またラジエーターは120/140/240/280mmサイズが搭載できる。
140mm ARGBリバースファンは、一般的な冷却ファンとは逆のエアフロー方向から、フレッシュな外気を常時取り込む役割を果たしてくれる |
前方右側の傾斜面の活用も独特だが、前方先端のボトム部に120mmファンを標準装備する点も珍しい。プラスチック製のカバーに埋め込まれるようにマウントされているのは、120mm ARGBリバースファン。右側面同様にフレッシュな外気を前方から取り入れる。冷却ファンはちょうどグラフィックスカード方向に搭載され、常時取り込まれるエアフローによる恩恵を確実に受ける事になるはずだ。
120mm ARGBリバースファンが内蔵された前方先端部。こうしてみると、FV270 RGBはボディや前方右側、フロントボトムファンいずれも「傾斜」がひとつのキーワードになっている |
120mm ARGBリバースファン搭載部の底面には、プラスチック製の枠で作られたダストフィルターが装着済み |
フロントボトムファンは着脱が可能。ボトムカバー天板を外すことでヒンジが外れ、プラスチック製の枠をワンプッシュすればロックが解除される仕組み |
ツールフリー仕様のスチール製トップパネルを外すと、シャーシ面にはダストフィルターがあり、これを取り払うと冷却ファン増設用のネジ穴(スリットタイプ)が確認できる。この面には120mmファンが3基または140mmファンが2基増設可能。一般的には排気方向に冷却ファンをマウントすれば、PCケース内で発生した熱の上昇に合わせ、外部へ一気に放出することができる。
さらにラジエーターは120/140/240/280/360mmの各サイズに対応。オールインワン型水冷ユニットの冷却パフォーマンスを最大限に発揮するなら、トップ面にラジエーターを設置したい。
シャーシ側トップ面は2本のネジで固定されているため、着脱が可能。ラジエーターや冷却ファン増設時にも便利そう |
後方上部にも120mmまたは140mmファンが搭載可能。FV270 RGBでは出荷時より140mm ARGBファンが標準で装備されている。多くのPCケース同様、CPUソケット付近の熱ごもりを解消すべく、常時排出を行う重要なポジションが任されている。120mmまたは140mmサイズラジエーターの設置にも対応し、最もベーシックなオールインワン型水冷ユニットを組み込む場合は、リアファン搭載スペースが便利だろう。
ボトムカバー(シュラウド)天板は着脱式を採用。「ボトムファンブラケット」のパーツ名が付けられたパネル部には、120mmまたは140mmファンが2基搭載可能。真上に位置するグラフィックスカードへ直接風を当てる事ができる。さらに最大240mmサイズのラジエーターも搭載可能。FV270 RGBのエアフロー性能の高さを感じさせる、無駄のない設計が見て取れる。
CPUクーラーメンテナンスホール下で、3.5インチHDDトレイに隠れるように装備されているのがPWMファン&ARGBコントローラーハブだ。マザーボードトレイにネジ留めされた基板には、上段に4pinファンコネクタを6口、下段に3pin ARGBコネクタを6口装備。FV270 RGBの標準搭載ファンは合計3基だから、出荷時より各3口分のコネクタにケーブルが接続されている。
その役割は名称通りで、基板(=ハブ)に接続したARGBファンをひとまとめに接続(=制御)しようというもの。冷却ファンが複数台搭載できるPCケースにはもはや必須なアイテムで、マザーボード上のコネクタの消費を最小限に節約できる。さらに煩雑になるケーブルを裏配線スペースに集約できるため、美観を損ねることがない。
なお右端のコネクタはSATA電源コネクタに接続し、左端上段はマザーボードのRGBコネクタと4pinファンコネクタ(PWM信号およびパルス用)、下段はRGB Switchにそれぞれ接続。これで一括制御ができるようになる。