エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1454
2024.09.04 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ここからはストレージ収納力を見ていこう。まず1つ目はマザーボードトレイ背面、CPUクーラーメンテナンスホールに被さるように装着されている「3.5″HDD tray」だ。トレイには丸穴のパンチング加工が施され、上段に3.5インチHDD用と2.5インチSSD用(排他)のネジ穴、下段に2.5インチSSD用のネジ穴が設けられている。
つまり両者は排他仕様で、2.5インチSSDx2台または3.5インチHDD+2.5インチSSD各1台といった具合で、任意組み合わせにより、ドライブが固定できるというワケだ。
CPUクーラーメンテナンスホール裏に搭載されている3.5″HDD trayその1 |
下部は2つのフック、上部はハンドスクリュー1本で固定。ドライブ搭載作業は一旦取り外す必要がある |
各ドライブはコネクタを左方向に固定。底面ネジ穴を利用したいわゆるベタ置きで、最もシンプルな搭載方法が選択されている。裏配線スペースを有効活用する手法は、現在多くのミドルタワーPCケースが採用している。
電源ユニット搭載スペースの真横にも、「3.5″HDD tray」と名付けられたプレートが装備されている。ボトムカバーの右横を一部塞ぐ格好で搭載されるのは、2.5インチSSDまたは3.5インチHDDで、いずれもベタ置きによる背面ネジ留め式を採用。上段同様、コネクタは左方向に固定する。
ボトムカバー開口部右手に搭載されている3.5″HDD trayその2 |
2.5インチSSDまたは3.5インチHDDが1台搭載可能。このスペースの有効活用は珍しい |
ユニークなのは、ボトムカバー内部の前方の壁を利用した、2.5インチSSD増設スペースの存在。まず2.5インチSSDの底面に「2.5#SSD rubber mounts」を「2.5″SSD step screws」で固定。これがピンのような役割を果たし、ボトムカバー前方の壁に設けられた4つの穴に挿し込み、スライドロックにより搭載は完了する。スペースを無駄にしない試みはこれまであまり例がない。
「2.5#SSD rubber mounts」を「2.5″SSD step screws」で固定した状態。ラバーはクッションの役割を兼ね、受け側の穴に挿し込んだ後にスライドロックする。 |
搭載作業はボトムカバー右側面の開口部から行ったが、ボトムカバーの天板を外した状態でも装着はできそうだ。わざわざ外れるように設計した理由のひとつかもしれない。
拡張スロットは全7段。独立した拡張スロット金具はパンチング加工が施された通気孔仕様で、ハンドスクリューにより固定。シャーシ側は枠を取り払ったブリッジレス仕様だった。なおグラフィックスカードを左側面の強化ガラスに正対してマウントする”垂直設置”にも対応。ただしライザーケーブルは別途用意しなければならない。
水平マウント(デフォルト)時の拡張スロット |
垂直マウントにするには拡張スロットの枠を90°回転させ、6本のネジで固定する |
ボトムカバー天板部には付属の「Vertical graphic card holder」を固定し、スタンドオフを装着。ライザーケーブルの基板をネジ留めできるように設計されている |
さらにケーブルマネジメントカバー(with graphic card holder)下部には「GPUサポートステイ」(マニュアル表記はgraphic card holder)を標準装備。重量級グラフィックスカードを下支えすることで垂れ下がりを防止。重みからくる拡張スロットへのダメージを軽減する事ができる。
下部のハンドスクリューを緩めることで高さ調整が可能。ハイエンド志向のグラフィックスカードには便利なギミックだ |