エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1461
2024.10.01 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
テストセッションのラストは、「UEFI BIOS Utility」に実装された簡易チューニング機能「AI Optimized」を試してみることにした。なおパフォーマンスをチェックするベンチマークには「CINEBENCH」系の4種類を使用している。
シングルコアテストについては、ブースト時の最高クロックが変わらないこともありスコアに変化はなかった。一方で、マルチコアテストについてはクロックの低下が抑えられることから、すべてのベンチマークで3~4%パフォーマンスが向上している。動画の編集や3Dレンダリングなどのマルチスレッド処理を行うなら「AI Optimized」によるオーバークロックは効果的だ。
アイドル時のサーモグラフィ | 高負荷時のサーモグラフィ |
マルチコアテスト時の消費電力は、「AI Optimized」を有効にすると約20W上昇した。ただし、VRMの温度は最高でも+2℃の63℃で頭打ちになり、冷却性能にはまだ十分に余力が残されている。
AMD X870E/X870チップセット自体は、AMD X670E/X670からそれほど変更点は多くない。しかし「ROG STRIX X870-F GAMING WIFI」では、ハイエンドCPUのオーバークロックを見越して、電源回路のMOSFETを110A SPSへとアップグレード。またM.2ヒートシンクも大型化され、ファンレスながらPCI Express 5.0(x4)SSDの発熱を抑え込むことができるようになった。
さらに2.5ギガビットLANに匹敵する転送速度が期待できるWi-Fi 7や、NVMe M.2 SSD並の高速ストレージが使用できるUSB4といった高速インターフェイスは、大量のデータを扱うゲーマーやクリエイターにとって嬉しい装備と言えるだろう。
そして大型グラフィックスカードを搭載した場合でも簡単に外せる「PCIe Slot Q-Release Slim」をはじめ、ワンタッチでSSDやヒートシンクを着脱できる「M.2 Q-Release」「New M.2 Q-Latch」、サイズの異なるSSDを取り付けることができる「M.2 Q-Slide」などの便利機能を豊富に搭載する「ROG STRIX X870-F GAMING WIFI」は、頻繁にパーツを入れ替えるベテランはもちろん、新型Ryzenの登場に合わせて自作PCに挑戦する初心者にも使ってもらいたい1枚だ。
提供:ASUS JAPAN株式会社