エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1462
2024.10.04 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
主力ストレージ用のM.2スロットは、PCI Express 5.0に対応するBlazing M.2×1、PCI Express 4.0対応のHyper M.2×3という構成。Blazing M.2とメモリスロット横のHyper M.2スロットには、ツールレス脱着のクイックリリース機構を備えた専用ヒートシンクが装着されている。
スライド式のクイックリリース機構を備えたヒートシンク。PCI Express 5.0対応スロットにも背の低いヒートシンクを採用しているが、それにはちゃんと理由がある |
このヒートシンクが新機軸の「M.2サンドイッチヒートシンク」だ。大容量モデルなど両面にチップを搭載するSSDを効果的に冷却するため、裏面用にもヒートシンクを設けるサンドイッチ構造を採用。さらにボトムヒートシンクがサーマルパッドでPCBに接し、PCBにも熱を逃がす仕組みになっている。
厚めの銅箔層を含んだ放熱性に優れるPCBを最大限に活用しようという、よく考えられたアプローチ。前世代の「X670E Taichi」はPCI Express 5.0対応SSDに対応するためにファン付きの大型ヒートシンクを同梱させていたが、「X870E Taichi」は新しい発想で低背ヒートシンクの運用を可能にしたわけだ。
上部のヒートシンクと裏面用ヒートシンクでサンドイッチ。さらにボトムヒートシンクからPCBへ熱を逃がし、PCB全体を放熱に利用する構造になっている |
メモリスロット横のHyper M.2スロットにも「M.2サンドイッチヒートシンク」が採用されている |
拡張スロット間に搭載されたHyper M.2スロット×2には、チップセットと一体デザインのヒートシンクを装着。クイックリリース機構やサンドイッチ放熱機構は採用されていない |
大容量HDDなどのために必要なSATA 3.0ポートも6基を備えている |
「X870E Taichi」の拡張スロットは、PCI Express 5.0(x16)×2という構成。いずれもアンカーを強化した「強化スチールスロット」仕様で重量級カードを安全に搭載できるほか、スムーズかつ安定した信号伝送が可能な表面実装(SMT)が採用されている。
そしてASRock製マザーボードとしては初となる、グラフィックスカード用のクイックリリース機構「グラフィックカードEZリリース」を搭載する点もトピック。装置の誤作動やBTOの輸送トラブルなどを防ぐため、一般的なボタン式ではなくスライド式が採用されることになった。この手の機構では後発ながら、その立場を活かして徹底した検証を行った末のチョイスという。
拡張スロットはいずれもPCI Express 5.0(x16)。グラフィックスカード用の上部スロットには、スライド式クイックリリース機構の「グラフィックカードEZリリース」を備えている |
最下段のPCI Express 5.0(x16)スロットにも「強化スチールスロット」が採用されている |
続いて「X870E Taichi」が搭載するオーディオ回路をチェックしていこう。オーディオチップとしてハイエンドICのRealtek ALC4082を採用し、S/N比130dBのDACチップ「ESS SABRE9219」を組み合わせるというハイグレードな5.1ch対応の構成。WIMAのオーディオ用コンデンサを搭載するなど、コンポーネントにもしっかりコストをかけた音質重視の仕様だ。
また、回路自体をメイン基板からシールドで分離することで、ノイズの影響を最小限に押さえる設計。クロストークの発生を防ぐため、左右のチャンネルも基板レベルで分離されている。
Realtek ALC4082ベースのオーディオ回路を搭載 |
DACチップの「ESS SABRE9219」やWIMA製オーディオコンデンサが実装されている |
オーディオ回路やオーディオコンデンサは、基板レベルでメイン回路から分離するノイズ対策が施されている |