エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1463
2024.10.07 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
Ryzen 9000シリーズの性能を最大限に引き出すことができるよう、電源回路にはハイサイドMOSFET、ローサイドMOSFET、ドライバICに加えて温度センサーなどを1チップに統合した110A Smart Power Stage(SPS)による18(Vcore)+2(SOC)+1(MISC)フェーズのDuet Rail Power Systemを搭載する。
さらにヒートパイプを内蔵した大型のヒートシンクや、7W/mkの高性能サーマルパッド、2オンス銅層を備えた「8層NPG-170DサーバーグレードPCB」を組み合わせることで、長時間高負荷状態が続く作業やオーバークロック動作時でも電源回路の温度を低く保つことができる。
電源回路はCPUソケットの左側に13フェーズ、上側に8フェーズの計21フェーズを搭載 |
VcoreとSOC用の電源回路にはハイエンドマザーボードで主流の110A SPSを採用する |
メインのPWMコントローラRENESAS「RAA229620」 | インターフェイス向けのPWMコントローラはRichtek「RT3672EE」を採用 |
補助電源コネクタは8pin×2 |
2ブロック構成のヒートシンクはヒートパイプで連結。また110A SPSとフェライトコアチョークの接触部には7W/mkのサーマルパッドを貼り付け |
チップセットには、デュアルチップ構成のSocket AM5向け最上位AMD X870Eを搭載する。AMD X670Eではオプション扱いだったUSB4が標準装備になり、最大40Gbpsの高速なインターフェイスを利用できるようになった。また2基のチップを搭載しているため、AMD X870に比べるとPCI ExpressレーンやUSBポート、SATAポートの数が強化されている。
EZ M.2 Shield Frozr II」の固定金具と一体化されたチップセットヒートシンクには、MPGロゴがデザインされている |
AMD X870Eでは、2基チップセットを搭載。前世代のAMD X670Eと同じ構成だが、MSIの担当者によればチップ自体の発熱は少なくなっているとのこと |
メモリスロットはデュアルチャネル対応のDDR5×4本で、最大256GBまでの大容量メモリを増設できる。また信号ロスを最小限に抑えることができる「SMT」(表面実装技術)や、メモリ配線の最適化により、最大8,400+MHzまでのオーバークロックメモリをサポートする。なおメモリプロファイルはAMD EXPOに加えて、Intel XMP 3.0を元に最適化するA-XMP機能を実装。さらにメモリチップを自動的に判別してオススメのオーバークロックプロファイルを表示する「Memory Try It」機能も用意されている。
中央部分をメタルパーツで補強したメモリスロット。大型のグラフィックスカードを搭載した場合でも干渉しない片側ラッチ仕様で、CPUソケット側からDIMMA1/A2/B1/B2の並び。なお2枚で運用する場合はシルク印刷にある通り、DIMMA2/B2を使用する |
「CLICK BIOS X」のDRAM SpeedにはDDR5-2000からDDR5-12000までの設定が用意されていた |
「Memory Try It !」では、搭載されているメモリに合わせて最適なオーバークロック設定が表示される | 「High-Efficiency Mode」を有効にするとメモリ帯域を拡張できる |