エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1464
2024.10.10 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
続いて拡張スロットの構成を見ていこう。最上段はグラフィックスカードのために用意されたPCI Express 5.0(x16)対応の「PCIe UD スロット X」で、ビッグサイズのカードでも容易に取り外せるクイックリリース機構「PCIe EZ-Latch+」を備えている。
重量級グラフィックスカードも安心して組み込める、シールドされた「PCIe UD スロット X」を最上段に備えている |
さらに重量級カードを組み込んでもスロットが破損しないよう、金属補強プレートの「Ultra Durable PCIe アーマー」を基板裏に搭載。なんと従来の約10倍の強度という、耐荷重58kgの強靭さをもつというから驚きだ。頑丈さもここまでくれば、むしろ壊す方が難しいだろう。
そのほか、上から2段目にPCI Express 4.0(x4/x16形状)、最下段にPCI Express 3.0(x2/x16形状)スロットを備えている。
ワンプッシュでグラフィックスカードを取り外せるクイックリリース機構の「PCIe EZ-Latch+」 | スロットを裏面からガッチリ強化、耐荷重58kgを実現している補強プレート「Ultra Durable PCIe アーマー」 |
PCI Express 4.0スロットとPCI Express 3.0スロットは、フルサイズのx16形状ながらそれぞれx4およびx2動作になっている |
そして冒頭触れたように、拡張スロットと後述するM.2スロットは、一部で帯域を共有する仕様になっている。最上段にあるグラフィックスカード用の「PCIEX16」は、同じPCI Express 5.0対応スロットである「M2B_CPU」または「M2C_CPU」を使用した場合は、x8動作になると言った具合だ。グラフィックスカードのみで帯域をフルに使うか、PCI Express 5.0対応SSDを複数枚使用できるメリットをとるか、どちらかを選ぶことになる。
一部拡張スロットと間にあるM.2スロットは、帯域を共有しつつスイッチング回路により使い分けられる仕様になっている |
もう一つはPCI Express 4.0(x4)スロットの「PCIEX4」で、同じくPCI Express 4.0に対応するM.2スロット「M2D_SB」との排他仕様。どちらか片方しか使用できないが、該当スロットにSSDを搭載しなければ、10ギガビットLANカードやキャプチャカードなどx4動作の拡張カードが使用可能だ。
ストレージの目玉はPCI Express 5.0(x4)に対応するM.2スロットで、フィン構造を採用する大型ヒートシンクの「M.2 Thermal Guard Lヒートシンク」が装着されている。ヒートシンクは放熱表面積が従来比で6倍に拡大したほか、マザーボード側に備えるサーマルパッドと上下でサンドイッチ。両面から効果的に最新SSDを放熱する構造になっている。
さらにネジ不要でSSDを固定できる「EZ-Latch Plus」機構を採用。ヒートシンク自体もクイックリリース機構の「EZ-Latch Click」により、ワンタッチで簡単に脱着が可能だ。
PCI Express 5.0(x4)スロット用に用意された「M.2 Thermal Guard Lヒートシンク」。フィン構造で放熱面積を稼いでいる |
SSD裏面側にもサーマルパッドを備えている |
上下段の拡張スロットの間にも3基のM.2スロットが搭載されている |
そのほか、拡張スロットの間にPCI Express 5.0(x4)対応M.2スロット×2、PCI Express 4.0(x4)対応M.2スロット×1を搭載。CPUとしてRyzen 9000シリーズを搭載している場合、M.2 NVMe SSDによるRAIDストレージ(RAID 0/1/5/10)も構築可能だ。
なお拡張スロットの項で触れたように、PCI Express 5.0対応スロットはグラフィックスカード用スロットと帯域を共有、PCI Express 4.0対応スロットは「PCIEX4」スロットとの排他仕様になっている。
プレート状のヒートシンク「M.2 Thermal Guard Ext.」を装着。こちらにもネジ不要のSSD固定機構とクイックリリース機構が採用されている |
大容量HDDのために必要なSATA 3.0は、チップセットがサポートする最大数の4ポートを搭載する |
「X870 AORUS ELITE WIFI7 ICE」のオーディオ回路には、メインチップとしてエントリーからミドルクラスのマザーボードへの採用例が多いRealtek ALC1220が搭載されている。回路自体はノイズの混入を防ぐためメイン基板から分離された独立設計。また、APAQ製のオーディオコンデンサも実装されていた。
オーディオ回路は基板レベルでメイン回路と分離されている |
オーディオチップはエントリー向けのRealtek ALC1220。コンデンサはAPAQ製のゴールドコンデンサが実装されている |