エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1464
2024.10.10 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
エントリー向け製品としては、かなり強力な電源回路を備えている「X870 AORUS ELITE WIFI7 ICE」。ここではハイエンドCPUのRyzen 9 9950Xをオーバークロック運用した際にどのような挙動を示すのか、純粋なCPUのパフォーマンスをチェックできるCINEBENCH系ベンチマークテストで確認しよう。
ハイエンドマザーボードを使用していたRyzen 9 9950Xの単体検証時とスコアはほぼ変わらず、問題なくCPUのパフォーマンスを引き出せているようだ。また、ユーティリティを用いたチューニングではベースクロックから1GHz以上クロックを引き上げているが、電圧を1.205Vまで下げた状態でも動作が不安定になることはなかった。
ベースの4.3GHzから全コア5.35GHz動作にオーバークロックした影響も確かで、マルチコアテストでは8~13%ほどスコアがアップしていた。その一方でシングルコアテストでは最大クロックの5.7GHzから若干の差があることから、多少スコアを落としている。オーバーライド設定でのチューニングは、マルチタスクを処理するシチュエーションでのみ選択した方がいいだろう。
定格運用における高負荷時のサーモグラフィ | OC運用における高負荷時のサーモグラフィ |
ストレステストの「Cinebench 2024:10minutes(Test Throttling)」を実行し、高負荷時におけるPackage Powerを合わせてチェックしておこう。クロックの引き上げにより、全体的にPackage Powerが上昇していることが分かる。電源周りのヒートシンクも最大7℃ほど上昇しているが、ヒートパイプを用いてヒートシンク全体に熱を伝えていることもあり、効果的な放熱ができているようだ。