Ryzen 9 9950XのOC動作でも動揺しない堅実な電源回路
エントリー向け製品としては、かなり強力な電源回路を備えている「X870 AORUS ELITE WIFI7 ICE」。ここではハイエンドCPUのRyzen 9 9950Xをオーバークロック運用した際にどのような挙動を示すのか、純粋なCPUのパフォーマンスをチェックできるCINEBENCH系ベンチマークテストで確認しよう。
ハイエンドマザーボードを使用していたRyzen 9 9950Xの単体検証時とスコアはほぼ変わらず、問題なくCPUのパフォーマンスを引き出せているようだ。また、ユーティリティを用いたチューニングではベースクロックから1GHz以上クロックを引き上げているが、電圧を1.205Vまで下げた状態でも動作が不安定になることはなかった。
ベースの4.3GHzから全コア5.35GHz動作にオーバークロックした影響も確かで、マルチコアテストでは8~13%ほどスコアがアップしていた。その一方でシングルコアテストでは最大クロックの5.7GHzから若干の差があることから、多少スコアを落としている。オーバーライド設定でのチューニングは、マルチタスクを処理するシチュエーションでのみ選択した方がいいだろう。
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定格運用における高負荷時のサーモグラフィ
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OC運用における高負荷時のサーモグラフィ
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ストレステストの「Cinebench 2024:10minutes(Test Throttling)」を実行し、高負荷時におけるPackage Powerを合わせてチェックしておこう。クロックの引き上げにより、全体的にPackage Powerが上昇していることが分かる。電源周りのヒートシンクも最大7℃ほど上昇しているが、ヒートパイプを用いてヒートシンク全体に熱を伝えていることもあり、効果的な放熱ができているようだ。