エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1467
2024.10.17 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
Mini-ITX専用小型筐体とあって、ストレージ収納力は必要最低限。しかしM.2 SSDが主流の今、複数台の2.5インチSSDが搭載できる設計は優秀な部類かもしれない。ここからはEra 2のドライブベイを見て行くが、計2箇所ある搭載スペースのうち、まずは「2 x 2.5” Bracket」から解説していこう。
2.5インチSSDが最大2台搭載できるブラケットは、マザーボードトレイ右側のエリア後方に搭載されている。スチール製のブラケットは前方が開放状態のBOX形状で、ここから2.5インチSSDを滑り込ませ、底面4箇所をネジ留めする。底面に標準装備する120mmファンと正対する位置関係にあり、常時直接風が当たる。製品資料に言及は見当たらないが、ストレージの安定動作とパフォーマンスの維持という観点から、ここは最良のポジションではないだろうか。
なお2.5インチSSDの固定には、一旦2 x 2.5” Bracketを取り外す事になる。ブラケットは右側面の後方からシャーシにネジ留めされ、これを緩めれば手前に引き出せるようになる。狭い内部での作業を回避するセパレート式は、非常によく考えられている。
マザーボードトレイの左手エリアにも最大2台の2.5インチSSDが固定できる。ただしこのエリアはマニュアルによると「Additional 2.5″ Drive」(P.35)とあり、サブ的なものと位置付けられているようだ。
固定は4箇所の底面ネジを利用。コネクタは上方向に取り付ける |
2.5インチSSDは、マザーボードトレイのブラケット延長部にあるネジ穴を利用してのマウントになるが、後に解説するSFX-F/SFX規格電源ユニットと隣接する関係にある。仮に2.5インチSSDを追加(増設)する場合、可動式マザボードトレイは16mm厚の場合ポジション(1)、9mm厚の場合はポジション(2)の位置に移動し、電源ユニットとのマージンを取らなければならない。
リアパネルのセッションでも確認したように、拡張スロットは2段分が装備されている。さらにライザーケーブルも標準装備品として装着されており、グラフィックスカードは垂直でマウントする格好。正対する側面の通気孔は必須である事が分かる。
ライザーケーブルは実測で約200mm。バスインターフェイスの基板は既にネジ留めされており、3本に分かれたフラットなケーブルはマザーボードの拡張スロット付近へ配線されていた。なお搭載できるグラフィックスカードは最大長が326mmで、最大高が137mm。最大幅は搭載するCPUクーラーの全高が55mm以下なら63mmまで、全高が70mm以下なら48mmまで。マザーボードトレイのポジションによる両者の関係については、マニュアルP.51に詳しい。
対応電源ユニットはSFX-LまたはSFX(最大130mm)規格。搭載ポジションは後方左側面で、下部にはスチール製「SFX PSU Bracket」がネジ1本で固定されている。搭載方法は別途解説するとして、Era 2では内部中継用電源ケーブルが配線済みで、リアパネルの右上には3pinインレットが搭載されていた。
なお前作のEra ITXはブラケットを外すと、シャドウベイとのトレードオフながらATX規格の電源ユニットが搭載できた。しかしEra 2ではSFX-L/SFX規格のみに割り切られている。
電源ユニットの受け皿となる「SFX PSU Bracket」はシャーシ面に設けられたスリットに凸部を滑り込ませ、インチネジ1本で固定されている |