エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1471
2024.11.06 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
AMD「Ryzen 7 9800X3D」 市場想定売価税込86,800円(2024年11月15日11:00発売開始) 製品情報(AMD) |
「Ryzen 9000」シリーズの登場から遅れること約3ヶ月。ゲーマー待望の3D V-Cache対応モデル「Ryzen 7 9800X3D」が遂に解禁される。2023年4月にリリースされた「Ryzen 7 7800X3D」の後継モデルで、1基のCPUダイ「CCD」(CPU Complex Die)と、メモリコントローラやI/Oコントローラ、GPUなどを内蔵するIOダイ「cIOD」(Client I/O Die)の2つのチップからなるチップレット構成を採用するのは変わらない。
Ryzen 7 9800X3Dでは、Ryzen 7 7800X3Dと同じ、1基の「CCD」と「cIOD」のチップレット構成を採用。なお今後登場予定の上位モデルでは「CCD」が2基になる予定 |
ただし、コアアーキテクチャはZen 4からIPCが最大16%向上したZen 5に。そしてキャッシュメモリを積層する「3D V-Cache技術」も第2世代へとアップグレードされ、CCDの上にキャッシュを配置する方式から下に配置する方式へと変更された。
これにより、発熱の大きいCCDとヒートスプレッダが直接接触するようになり、冷却効率が大幅に改善。従来モデルの欠点だった動作クロックを上げにくいという問題が解消しており、特にマルチスレッド処理には大いに期待ができそうだ。またこれまで得意としていたゲーム性能についても、平均で約8%向上しているという。
主なスペックはコア数が8コア/16スレッド、ベースクロックは4.7GHz、ブーストクロックは5.2GHz、キャッシュ容量はL1が640KB、L2が8MB、L3が96MBで、TDPは120W。なお最大動作温度は95℃とされ、Ryzen 7 7800X3Dの89℃から6℃上昇している。またこれまで「X3D」モデルでは非対応だった手動オーバークロックをサポートしているのも大きな特徴だ。
なお対応ソケットはSocket AM5で、チップセットはAMD X870E/X870はもちろん、AMD 600シリーズでもBIOSをアップデートするだけで動作させることができる。