エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1475
2024.11.17 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
電源回路はIntel Z890チップセットマザーボードの中でもかなり豪華な構成。さらにヒートパイプで連結された2ブロック構成の大型ヒートシンクを搭載する |
「Z890 Taichi」では、ハイエンドマザーボードらしく20(VCORE)+1(VCCGT)+2(VCCSA)+1(VNNAON)フェーズ(+メモリ用1フェーズ)におよぶ大規模な電源回路を搭載する。また構成パーツにもこだわり、電源モジュールはハイサイドMOSFET、ローサイドMOSFET、ドライバIC、センサーを1チップに統合したSmart Power Stage(SPS)で、VCOREとVCCGTには現行最高クラスの110A SPSを採用する。また静電容量を560μFから1,000μFに増加した「20Kブラックコンデンサ」を組み合わせることで、出力の変動を抑え、CPUに常に安定した電力を供給できるよう設計されている。
さらに冷却システムは、2基の大型アルミニウムヒートシンク、ヒートパイプ、冷却ファンを組み合わせた「コンポジットVRMヒートシンク」で、基板には安定した信号トレースと電力形状を実現するとともに、放熱性にも優れる2オンス銅箔層を備えた「サーバーグレード低損失8層PCB」を採用する。
CPUソケットの上側と左側に逆L字型に実装された電源回路。SPS、チョークコイル、コンデンサとも一切乱れなく整然と配置されている |
CPUソケットの右側には13フェーズ、上側には11フェーズの電源回路を搭載。いずれもコンデンサには1,000μFの「20Kブラックコンデンサ」を搭載 |
ヒートパイプで連結された2ブロック構成のヒートシンク。SPSだけでなくチョークコイルと接触する部分にも熱伝導シートが貼り付けられている |
CPUソケット左側のヒートシンクはインターフェイス部分まで大きく迫り出している | VRMヒートシンクを冷却するための30mmファンを搭載 |
補助電源コネクタは8pin×2 | デジタルPWMコントローラRenesas「RAA229130」 |
チップセットはソケットLGA1851向け最上位の「Intel Z890」を搭載する。Intel Z790チップセットの後継モデルで、CPUとは8レーンのDMI 4.0で接続。またCPU、メモリのオーバークロックや、PCI Express 5.0(x16)のレーン分割、RAID 0/1/5/10などの機能を搭載する。
「XXL M.2ヒートシンク」と一体になったチップセット用ヒートシンク |
Intel Core Ultra 200Sに合わせたリリースされた最上位チップセット「Intel Z890」を搭載。パッケージサイズは28×23.5mmで、TDPは6W |
メモリスロットはデュアルチャネルに対応するDDR5×4本、最大容量は256GB。メモリプロファイルはIntel XMP 3.0とAMD EXPOをサポートし、面倒なタイミングや動作電圧を設定する必要はない。さらにEMIノイズを効果的に吸収する「Memory OC Shield」を備え、最高9,600MHz+までのオーバークロックメモリへの対応が謳われている。
メモリスロットはCPUソケット側からDDR5_A1/A2/B1/B2の並び。なお2枚で運用する場合にはDDR5_A2/B2から使用する |
基板のメモリ配線部分にはEMIノイズを効果的に吸収する「Memory OC Shield」が貼り付けられている。なおマニュアルにも記載がある通り、間違って剥がさないよう注意したい |
「インタラクティブUEFI」には1,066MHzから17,000MHzまでのメモリ設定が用意されていた。またGear 4を選択できるメモリクロックには右上に「4」のマークが追加されている |
オーバークロックメモリはメモリプロファイルを読み込むだけで最適な設定が可能 |