エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1476
2024.11.19 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「MPG Z890 CARBON WIFI」はPCI Express 5.0に対応する超高速SSDを搭載可能で、その放熱のために専用ヒートシンクの「EZ Magnetic M.2 Shield Frozr II」を備えている。だいぶスリムな形状に感じるヒートシンクながら、SSDを両面から冷やせる”ダブルサイドM.2サーマルデザイン”がどこまで効果があるかは気になるところ。
検証にあたっては、TeamのPCI Express 5.0対応SSD「T-FORCE Z540」シリーズから2TBモデルの「TM8FF1002T0C129」を用意。テスト条件をより厳しいNVMe SSDに設定し、「CrystalDiskMark 8.0.4」を3連続で実行した。
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「TM8FF1002T0C129」のスペックは、シーケンシャル読込最大12,400MB/s、書込最大11,800MB/s、ランダム読込140万IOPS、書込140万IOPSとなっている。スコアを見るとランダムテストで公称値を上回るスピードを発揮するなど、SSDのポテンシャルは十分に引き出せているようだ。
ただし持続テストの影響を見ていくと、SSD温度が途中で80℃にタッチしてサーマルスロットリングが発生。特に書込速度に影響が出ている。
アイドル時(左)と高負荷時(右)の様子をサーモグラフィで観察。アイドル時は最大52℃程度だが、ベンチマーク実行時は無風環境下で最大64℃超まで表面温度が上昇していた |
ただし今回はヒートシンクにまったく風が当たらない環境でテストを行ったため、その点は割り引いて考える必要があるだろう。グラフィックスカードを搭載していればクーラーの風が確実に当たる位置であり、実用シーンではより安定した動作が可能なはずだ。
さらに強力になった電源周りやそれに相応しい放熱機構、面倒な手間を解消するツールレスの便利ギミックなど、「MPG Z890 CARBON WIFI」は前世代から確実に進化を遂げている。アッパーミドルクラスという立ち位置ながら、デュアルThunderbolt 4や高速USBをズラリ揃えたインターフェイスのように、ハイエンド匹敵の機能も見逃せない。
PCI Express 5.0スロットの排他条件もなく、扱いやすく高水準にバランスの取れたマザーボードといった印象。拡張ヒートシンクやM.2ヒートシンクにARGB LEDを仕込むなど魅せる要素もありつつ、LEDを一括オフにするスイッチを入れれば、たちまち漆黒の質実剛健マザーに早変わり。歴代シリーズのコンセプトを受け継ぎつつ、最新CPUのパフォーマンスもしっかり引き出せる、ユーザーの注目を裏切らない完成度を備えた一枚だ。
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社