エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1477
2024.11.23 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
製品の概要を把握したところで、ここからは画像による検証を進めていこう。MSIが“超堅牢設計”と謳う電源回路は24(VCORE)+2(VCCSA)+1(VGT)+1(VNNAON)フェーズの大規模な構成で、電源モジュールにはハイサイドMOSFET、ローサイドMOSFET、ドライバIC、センサーを1チップに統合した110A SPSを搭載する。
さらにそれらを冷却する拡張ヒートシンク「FROZR GUARD」には、放熱面積を最大50%拡大した「ウェーブフィンデザイン」やリアインターフェイス部分まで迫り出した「アルミニウムカバー」、3つのMOSFETヒートシンクを連結する「ダイレクトタッチクロスヒートパイプ」、熱伝導率9W/mkの高品質サーマルパッドなどを採用。CPUが必要とする電力を安定して提供することで、Intel Core Ultra 200Sのポテンシャルを最大限に引き出すことができるよう設計されている。
電源回路はCPUソケットを囲むように逆コの字型に実装されている |
CPUソケット上に10フェーズ、左に14フェーズ、下に4フェーズの計28フェーズ構成。それぞれのフェライトコアチョークの間には隙間が設けられ風通しも良さそうだ |
CPUソケット上のヒートシンクは「ウェーブフィンデザイン」を採用 | CPUソケット左のヒートシンクはリアインターフェイス部分まで迫り出した「アルミニウムカバー」を備える |
3ブロック構成のヒートシンクは、「ダイレクトタッチクロスヒートパイプ」で連結 |
補助電源コネクタの位置は従来の左上から右上へと変更された |
チップセットはソケットLGA1851向け最上位の「Intel Z890」を搭載する。Intel Z790チップセットの後継モデルで、CPUとは8レーンのDMI 4.0で接続され、CPU、メモリのオーバークロックや、PCI Express 5.0(x16)のレーン分割、RAID 0/1/5/10などの機能を搭載する。またCore Ultra 200Sでは、SSD用にPCI Express 5.0レーンが追加されているため、グラフィックスカードの帯域を使うことなくPCI Express 5.0(x4)SSDを使用できるようになった。
普段は「EZ M.2 Shield Frozr II」の下に隠れているチップセットヒートシンク。「EZ M.2 Shield Frozr II」を固定するためのフックを実装 |
Intel Core Ultra 200Sに合わせたリリースされた「Intel Z890」。パッケージサイズは28×23.5mm、TDPは6Wで発熱はそれほど多くない |
メモリスロットはデュアルチャネル対応のDDR5×4本を備え、最大256GBまで増設が可能。さらにノイズを大幅に低減する独自回路設計「MSI Memory Boost Technology」や、信号ロスの少ない表面実装技術「SMT」、2オンス銅層を備えたサーバーグレードの8層PCBなどを採用することで、最高9,200MHzの高クロック動作を可能にしている。
またIntel XMP 3.0、AMD EXPOに加えて、メモリチップを自動的に判別してオススメのオーバークロックプロファイルを表示する「Memory Try It」機能を搭載。面倒なタイミングを設定することなくメモリのオーバークロックを行うことができる。
8pin×2の補助電源コネクタが向かって右側にあるため、左側のみラッチがある珍しいデザインのメモリスロット。CPUソケット側からDIMMB1/B2/A1/A2の並びで、シルク印刷にある通り、2枚で運用する場合はDIMMB2/A2から使用する |
「CLICK BIOS X」にはDDR5-3600からDDR5-15066までのメモリスピードが用意され、Gear 2とGear 4が選択できる |
Intel XMP 3.0対応メモリならプロファイルを選ぶだけで最適な電圧やメモリタイミングに設定される | 「Memory Try It!」では、搭載しているメモリチップを元にオススメのOC設定がリストされる |