エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1479
2024.11.27 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
最後にASRock「B760M-ITX/D4 WiFi」の「Base Frequency Boost」で設定できる最大値PL1=95Wの設定でも冷却性能を確認しておこう。
PL=1を95Wに引き上げた状態でも検証を実施した |
テスト中のPackage Powerはしっかりと95Wで動作。CPUクロックもPコアが3.8GHz前後→4.1GHz前後、Pコアが3.1GHz前後→3.3GHz前後へとPL1=80Wからさらに引き上げられている。そしてCPU温度は95℃前後へ約10℃上昇し、CPUが許容する最高温度である100℃に達するシーンも度々確認できた。このことからPackage Power 95W前後が「CC-10」の冷却性能の限界と考えていいだろう。
なおファンの回転数やノイズレベルについてはPL1=80Wのときと挙動はほぼ同じだった。
全高わずか31mmというコンパクトな外観から、今回検証するまでは正直「CC-10」の冷却性能についてはやや懐疑的だった。
しかし、実際に蓋を開けてみればCore i5-13400との組み合わせであれば、定格での運用だけでなく「Base Frequency Boost」を調整したブースト状態でも十分な冷却性能を発揮した。Package Powerの限界が95W前後のため、さすがにPBPが125WのKモデルは厳しいが、Non-Kモデルであれば、よりコア数の多いハイエンドCPUとの組み合わせでも問題なく冷やすことができるだろう。
やや風切音が大きい点は気になるが、サイズとのトレードオフと考えれば仕方ないところ。そのコンパクトさを生かしてMini-ITXやスリムPCとの組み合わせはもちろん、価格も2,000円台と安価なことから、プッシュピン固定のリテールクーラーが苦手という人の代替えとしても十分におすすめできる製品だ。
協力:株式会社アイネックス