エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1481
2024.12.02 更新
文:藤田 忠/撮影:pepe
次はPCの総合パフォーマンスを測定する「PCMark 10」のスコアを確認していこう。テストプリセットはゲーミングを含めてテストされる「PCMark 10 Extended」を選択している。
PCMark 10の推奨スコアは、日常的な作業や、ビデオ会議などのビジネスタスクの性能を測るEssentialsが4,100以上、表計算や文書作成といったオフィスアプリケーションの性能を測るProductivityが4,500以上、写真編集や動画編集、3DCG製作などのクリエイティブ性能を測るDigital Content Creationが3,450以上となっているが、いずれも余裕でクリアしている。
シングルコアの処理が多い関係で、各スコアはCore Ultra 7 155Hとほぼ並んでいる。また、「AI Engine」と「究極のパフォーマンス」プロファイルでは、おおむね「究極のパフォーマンス」のほうが、スコアを伸ばしている。
続いてはUL Procyonを使用して、オフィスアプリケーションや、クリエイティブ、AI処理のパフォーマンスをチェックしていこう。
まずは、Microsoft Office(Microsoft 365)のパフォーマンスを測る「UL Procyon Office Productivity」のスコアをみていこう。
スコアはいずれも良好でホーム、ビジネスユースともにストレスなく、WordやExcelなどを使える。PowerPointのスコアは、「AI Engine」が勝ったが、そのほかはWordとOutlookで1割弱「究極のパフォーマンス」が勝り、Excelはほぼ横並びとなっている。
続いてはAdobe PhotoshopやAdobe Lightroom Classicを使った画像処理性能を測る「UL Procyon Photo Editing Benchmark」のスコアを確認していこう。
総合スコアは5,000台を超えと、Core Ultra 7 155Hを超えるスコアとなっている。Adobe Photoshopを使用し、CPUに加え、GPUも使って処理されるImage Retouching scoreも優れており、スコアはCore Ultra 7 155Hから1,000スコア以上も伸ばしている。Adobe Lightroom Classicを使用し、CPUで処理されるBatch Processing scoreは、スレッド数が効いて4,000台に留まっているが、それでも8スレッドとしては優秀なスコアと言える。
Image Retouching scoreの伸びは、CPUだけでなく、内蔵GPUの処理能力が大幅に向上しているCore Ultra 200Vシリーズらしい結果だろう。プロファイルでの差は2~4%と小さいので「AI Engine」のままでも良いだろう。
Adobe Premiere Proで動画編集を行い、そのパフォーマンスを測る「UL Procyon Video Editing Benchmark」を実行していこう。CPU処理と、GPUも使った処理の両方を行っている。
UL Procyonや、Adobe Premiere Proのバージョンが異なるが、CPU処理でのスコアはCore Ultra 7 155Hを超えている。また、GPUを利用した処理では大幅にスコアを伸ばし、10,000台を記録している。実際にAdobe Premiere Proを使用する場合、GPUを利用して処理すると思われるが、プリセットの違いによるスコア差は約6%となっている。長時間の動画ファイルを処理する場合は、「究極のパフォーマンス」を選択しておくのが良いだろう。
最後にIntel OpenVINOによるAI推論性能を確認していこう。ここではCPU、GPU(Intel Arc Graphics 140V)、NPUの3種類で実行している。
結果は一目瞭然で、NPUがダントツのスコアを記録し、CPU処理の7倍程度も向上している。さらに処理中の消費電力を確認すると、GPUとほぼ同じか、より低い消費電力で実行できているのも注目に値する点だ。