エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1481
2024.12.02 更新
文:藤田 忠/撮影:pepe
ゲームパフォーマンスのチェックが一段落したあとは、「Prestige-13-AI+Evo-A2VMG-4889JP」の消費電力や、負荷時の温度推移、動作音といった点を確認していこう。ストレステストには「Cinebench 2024:Minimum Test Duration:30 minutes」と、20分近く連続実行される「3DMark Steel Nomad Light Stress Test」を使用している。
消費電力はラトックのWi-Fiワットチェッカー「RS-WFWATTCH1」を利用し、ACアダプタの消費電力を記録している。アイドルは起動後10分間なにも操作せずに放置した際の最低値とした。各ストレステストは実行時の最大消費電力を抽出している。
省電力化が進んだCore Ultra 200Vシリーズだけあって、ストレステスト実行時は最大でも60Wになっている。プロファイルでの違いは、GPUを最大限活用する「3DMark Steel Nomad Light Stress Test」実行時が大きく、「AI Engine」と「究極のパフォーマンス」では11Wも違っている。
続いてストレステスト実行時のCPU、GPUコアの動作クロックと温度も確認しておこう。各ストレステスト実行時を「HWiNFO64 Pro」で記録し、CPUクロックはPコア「P-core 0 Clock [MHz]」、LP E-コア「E-core (LP) 4 Clock [MHz]」を抽出した。CPU温度は「CPU Package [°C]」としている。
まずは「Cinebench 2024」実行時を確認すると、おおむねテスト中はPコアが3.3GHz、LP E-コアが3.7GHzで動作し、CPU温度は75℃前後を維持している。「究極のパフォーマンス」では、テスト開始時にPコアが4.2GHzまで伸びているが、コア温度も急激に上昇している。
次に「3DMark Steel Nomad Light Stress Test」実行時を確認していこう。GPUクロックは「GPU Clock [MHz]」、GPU温度は「CPU GT Cores (Graphics) [°C]」を抽出している。
GPUコアクロックは、テスト開始時こそ、「AI Engine」は「究極のパフォーマンス」と同じ1,950MHzだったが、すぐに1,600~1,850MHzでの動作に移行している。ベンチマークテストで行った3DMark Steel Nomad Lightでは、スコアに大きな差はなかったが、このクロックの動作で消費電力は11W抑えられている。ただ、今回試した実際のゲームでは、クロック変動がフレームレート差へと繋がっているのだろう。
最後はストレステスト中の動作音を確認していこう。「Cinebench 2024」はプリセットで差はなく、CPUがフルロードされるためノイズレベルは40dBA後半となり、気になるレベルに達してしまう。一方で「3DMark Steel Nomad Light Stress Test」のGPUコア温度はおおむね60℃台とあって、動作音は低下している。特に最大でも67℃だった「AI Engine」は40dBAを下回っていた。
75Whr/4セルリチウムイオンバッテリを内蔵し、4K/H.264動画を連続再生した際に最大14時間という長時間駆動が謳われている「Prestige 13 AI+ Evo A2VM」。実際の作業でどの程度の駆動時間になるのか、Microsoft Office(Microsoft 365)での処理を連続実行した場合の駆動時間を測る「UL Procyon Battery Life Benchmark」の「Procyon Battery Life Benchmark」を、「AI Engine」で実行してみた。ディスプレイの輝度は50%に設定した。バッテリ残量は評価機では100%に充電されないことが多々あったので、96%の状態で開始した。
Procyon Battery Life Benchmarkの結果 |
結果はバッテリー残2%までで11時間51分とほぼ半日持つ結果となった。これなら充電できなくとも、外出先でWordやExcelをフルに使うことが十分できそうだ。
Copilot+ PCに準拠する高性能NPUやメインメモリの統合によって、電力効率やAI処理能力が大きく向上したCore Ultra 200Vシリーズ。その一方で、コア数の削減やハイパースレッディングの廃止もあり、そのマルチスレッド処理には一抹の不安もあった。
そんなCore Ultra 200Vを採用したMSI「Prestige 13 AI+ Evo A2VM」だが、ビジネスアプリはもちろんのこと、マルチスレッド処理が重要なクリエイティブな作業や、GPUが重要なカジュアルなゲームも十分に遊べる性能を備えていた。
「Prestige 13 AI+ Evo A2VM」は、モバイルノートPC購入時の有力候補となるだろう |
また軽量かつ堅牢なマグネシウム合金製の筐体や、オフィスアプリケーションを半日使用できる長時間バッテリ駆動は、常に持ち歩く人には欠かせない要素。さらに作業効率に優れる2,880×1,800ドットの広い作業領域や、美しい映像表現が可能な有機ELを採用する「Prestige 13 AI+ Evo A2VM」は、ハイスペックなモバイルノートPCが欲しいなら注目の1台だ。
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社