エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1482
2024.12.05 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
続いて、Core Ultra 7 265Kでも冷却性能を確認していこう。UEFIのPower Delivery Profileは「Intel Baseline Mode」を選択し、PL1は125W、PL2は177Wに設定した状態で検証を行った。
UEFIのPower Delivery ProfileはロープロファイルCPUクーラーということで、最も緩い「Power Delivery Profile」を選択した |
Intel Core Ultra 200Sシリーズでは、ハイパースレッディングが無効になったため物理コアと論理プロセッサ数は同じになる |
「HWiNFO 64」でPower Limitを確認したところPL1は125W、PL2は177Wに設定されていた |
Package Powerが177Wまで上昇するテスト開始約1分間は、CPU温度も許容最高温度である105℃まで上昇する。ただし、Package PowerがPL2の125Wに移行した後は95℃前後まで低下。Package Powerや動作クロックも安定しており、Processor Base Powerの設定であれば、高クロックな「K」モデルでも冷却性能が不足することはないだろう。また旧ファンに比べると平均約2.1℃低くなり、Ryzen 9 9900Xの「ECO Mode」設定時より差が広がっている。なおファンの回転数やノイズレベルはこれまでの結果と同じだった。
自作PC市場で、ロープロファイル型CPUクーラーの主役にならなければいけない「SHURIKEN3」。小型PCケースでの需要に応えるだけの冷却性能は、期待通りと言っていいだろう。特に側面を開放状態にしたカスタムファン「KAZE FLEX II 92 SLIM AH PWM」の存在は大きく、いつか登場するであろう「SHURIKEN4」までの間を任せる事ができそうだ。
現時点での空冷最強クーラー、Noctua「NH-D15 G2」との記念ショット。これほどまでに大きさが異なるものの、CPUを冷却するという目的は同じ。改めて空冷クーラーの奥深さを感じた |
近頃はPCケースの設計段階からラジエーターの設置が想定され、ユーザーの選択肢がより多様化する傾向にある。とは言え、ロープロファイル型の空冷CPUクーラーの需要は確実にあり、AIO水冷に押されがちながらも地道に進化し続けている事を知っておきたい。
協力:株式会社サイズ