エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1484
2024.12.12 更新
文:編集部 池西 樹
「ASRock Intel Arc B580 Steel Legend 12GB OC」(型番:B580 SL 12GO) 市場想定売価税込52,980円(2024年12月13日23:00発売) 製品情報(ASRock) |
2022年に登場した開発コード名「Alchemist」こと「Arc A」シリーズ以来、約2年ぶりとなるIntelの最新デスクトップ向けGPU「Arc B」シリーズが登場した。コアアーキテクチャには、ノートPC向け最新CPUであるLunar Lakeの内蔵GPUと同じ「Xe2アーキテクチャ」を採用する。
GPUコアの最小単位は先代同様「レンダースライス」だが、8つの「Xe Vector Engine」(XVE)で共有するL1キャッシュが増量されている他、アウトオブオーダーサンプリングやバーテックスフェッチのスループット向上、メッシュシェーダー性能の向上などの改良が加えられている。さらにXVEではSIMD32に加えて、SIMD16をネイティブ実行できるようになり、処理にかかる時間が短縮されている。
「Xe2アーキテクチャ」のレンダースライスの構成図。4基のXeコアやレイトレーシングユニットなどを内蔵する |
「Xeコア」では、8つの「Xe Vector Engine」(XVE)で共有するL1キャッシュが増量された |
またレイトレーシングユニットのトラバーサルパイプラインやボックスインターセクションは従来から1.5倍に、トライアングルインターセクションやBVHキャッシュは2倍に増量。これらの改良により、「Xe2アーキテクチャ」ではコアあたりの性能は70%、ワットパフォーマンスも50%と大幅に向上しているという。
そしてAIを活用したアップスケーリング技術も「XeSS」から「XeSS2」へとアップグレード。従来の超解像技術に加えて、NVIDIA「DLSS 3」やAMD「FSR 3」などで実装されているフレーム生成技術「XeSS Frame Generation」(XeSS-FG)や、低遅延技術「Xe Low Latency」(XeLL)などの機能が追加されている。
「XeSS2」では、フレーム生成技術「XeSS-FG」や、低遅延技術「XeLL」などの機能が追加されている |
第1弾の製品ラインナップは、今回チェックする「ASRock Intel Arc B580 Steel Legend 12GB OC」に実装されている上位モデル「Arc A580」と下位モデル「Arc B570」の2種類。いずれもWQHD解像度までをメインターゲットにした製品で、「Arc A580」については先代モデル「Arc A750」から平均で約24%パフォーマンスが向上している。さらにほぼ同価格帯となるNVIDIA GeForce RTX 4060や、Radeon RX 7600に対しても性能やビデオメモリ容量で上回り、コストパフォーマンスに優れている点もアピールされている。
先代のArc A750と比較するとArc B580は平均で24%パフォーマンスが向上 |
GeForce RTX 4060との比較でも約10%高いパフォーマンスを発揮するという |
スペックを確認すると、「Arc B580」のレンダースライス数は5基、Xeコア数20基、動作クロック2,670MHz、メモリバス幅192bit、メモリスピード19Gbps、メモリ帯域456GB/s、ビデオメモリはGDDR6 12GB、TBPは190W、バスインターフェイスはPCI Express 4.0(x8)。
Arc B580搭載グラフィックスカードは2024年12月13日、Arc B570搭載グラフィックスカードは約1ヶ月遅れの2025年1月16日から発売が開始される |
下位モデル「Arc B570」はレンダースライス数5基、Xeコア数18基、動作クロック2,500MHz、メモリバス幅160bit、メモリスピード19Gbps、メモリ帯域は380GB/s、ビデオメモリGDDR6 10GB、TBPは150Wで、バスインターフェイスはPCI Express 4.0(x8)。