エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1485
2024.12.14 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「Focus GX-1000 V4 WH」の筐体を開封し、OptiSinkを始めとする注目の内部構造をチェックしていく |
「FOCUS V4 GX」シリーズ最大の特徴は、新設計の「OptiSink Design」にあることは冒頭触れた通り。それでOptiSinkの導入によって、電源ユニットの内部がどう変わったのか。それを実感するには、前世代の「FOCUS V3 GX」との比較が最も分かりやすいだろう。
これは「FOCUS V3 GX」と「FOCUS V4 GX」の俯瞰イメージ比較だが、OptiSinkの導入によりPFC回路とLLC回路のモジュールが右端のドーターボードに集約。さらに冷却スタイルが劇的に変わったことで、大振りなヒートシンクが姿を消している。電源ユニット内部がかなり“開けた”構造になったことで、冷却効率が大きく改善したであろうことも想像に難くない。
PFC回路とLLC回路などのスイッチング回路は、OptiSink導入によりヒートシンクを含む回路規模が大幅に縮小。密度が48%も削減されたことにより、先ほどの俯瞰図で見たようにスッキリと“開けた”内部構造が実現したというわけだ。
そしてOptiSinkを導入したことにより、放熱の仕組みもガラリと変化した。従来は熱源のMOSFETをネジでサーマルパッドを挟んでヒートシンクに固定していたところ、OptiSinkではMOSFETを小型のSMDヒートシンクとともに表面実装。PCBの銅箔層を組み合わせ、効率的に冷却するスタイルに改められた。熱伝導率も飛躍的に改善しており、それが回路規模の縮小にも繋がっている。
従来シリーズとはまったく異なる内部構造。OptiSink導入により回路をスリム化、冷却ファンの風が遮ることなくすべてのコンポーネントを冷却できる“開けた”構造になっている |
突入電流や高周波ノイズを抑えるための入力部。安全コンデンサやYコンデンサ、コイルなどが実装されている |
サブトランスの向こう側に見えるヒートシンクには、一次側整流回路を構成するブリッジダイオードがマウントされている | 一次側整流回路から、力率を改善するアクティブPFC回路とそのコイル、一次側平滑回路にかけてのエリア |
「OptiSink Design」が採用されたドーターボードには、PFC回路とLLC回路を実装 |
PFC回路とLLC回路ともに、表面実装されたMOSFETと小型ヒートシンクを備える |
背面から新設計のPCBをウォッチ。幅広く銅箔層が確保されている |
一次側の平滑回路に実装されている日本ケミコン製の105℃コンデンサ。耐圧420Vの大容量タイプがチョイスされている |
中央付近に実装されているメイントランス。400V以上に達する入力電圧を実際に使用する数値に近い電圧に変換する | スタンバイ用の5VSB回路に実装されていたサブトランス |
二次側の整流回路から平滑回路にかけてのエリア。応答性能に優れた固体コンデンサも実装されている |
12Vから5Vと3.3Vを生成するDC-DC変換基板。主要なコンポーネントの駆動にはほぼ12Vしか使用しないため、現行電源ユニットの場合は基本的に変換基板で対応する |
冷却機構としては、Honghua製の135mm FDB(流体軸受ベアリング)ファン「HA13525H12F-Z」が搭載されていた |