エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1489
2024.12.25 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
特徴的な外装周りに続き、内部構造をチェックしてみよう。マニュアルに目を通すと、取り外しができるのはフロントと両サイドパネルの3面で、トップパネルは固定式が採用されている。大まかに眺めてみると、フロントパネルのギミックとは趣が異なり、極めてオーソドックスなスタイルに見えるが、果たしてどうか。製品の善し悪しを決定付けるだけに、細部まで詳しく解説していこう。
4mm厚強化ガラス製左サイドパネルを外し、まずはマザーボードトレイから確認してみよう。Z10 DSはATX、MicroATX、Mini-ITXの各規格に対応。トレイ上には出荷時よりスタンドオフが装着されていた。ただし多くのPCケースでは3列・3段で合計9本のスタンドオフが装備されているところ、2列・3段の合計6本に留められている。よってATX規格マザーボードを搭載する場合は、3列目の3本を付属品から装着しなければならない。この仕様とした意図はやや不可解で、どんな意味があるのだろうか。
合計6本のスタンドオフはいずれも同タイプ。マザーボードの位置決め用となる段差付きは装着されていない |
本体下部にはボトムカバー(シュラウド)が装備されている。内部には電源ユニットとシャドウベイユニットの収納スペースが確保されており、接続したケーブル類を逃がす(または隠す)役割を兼ねている。特に魅せるPC構築を想定したミドルタワーPCケースであれば、もはや標準的な装備と言えるだろう。
L字型ボトムカバーは角部を斜めに折り曲げ、電源ユニット搭載スペースには小窓(幅約120mm、高さ約60mm)を用意。さらに前方には冷却ファンおよびラジエーターの増設を想定し、天板の一部がカットされている。ちなみにボトムカバー内部高は実測で約100mmだった。
ボトムカバー天板の多くは通気孔仕様。単なる天板に留まらないことは後ほど解説しよう |
ボトムカバー内の後方は、電源ユニット搭載スペースに割り当てられている。スペック表によると有効スペースは奥行き200mmまで。そして同じボトム面にはシャドウベイユニットがあり、両者は互いにスペースを分け合う関係にある。
リア開口部からシャドウベイユニットまでの距離は実測で約260mm。公称値よりもだいぶスペースには余裕がありそう |
電源ユニットマウント面にはクッションの役割を果たす「ラバーテープ」が貼り付けられていた |