エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1489
2024.12.25 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
最終セッションでは構成パーツを用意し、実際に組み込み作業を行っていく。どうしても前面の15.6型フルHDディスプレイの存在が強いZ10 DSだが、ミドルタワーPCケース本来の出来映えはどうだろう。製品の善し悪しを見極めるには、機能性や内部設計の良さ、拡張性や組み込み易さがポイントであることは間違いない。構成パーツを組み込みながら、そのあたりをしっかりとチェックしてみたい。
まずはマザーボードを搭載してみよう。検証にはATX規格のASUS「ROG STRIX X870-F GAMING WIFI」を用意した。
既に触れた通り、マザーボードトレイには出荷時より合計6本のスタンドオフが装着されている。ATX規格の標準は9本だから、残り3本は付属品からユーザー自身で設置する必要がある。そこで「Standoff Tool」を使い、「Motherboard Standoffs」を3本増設。俗に言うワッシャー付きミリネジ「SSD / MB Screws」で9箇所をネジ留めすれば作業は完了する。なお搭載後の周辺クリアランスを計測すると、右手のフロントファンまでが約130mm、上部トップパネルまでが約55mmだった。
マザーボードを搭載したところで、CPUクーラーの有効スペースを計測してみよう。まずメーカー公称値は173mmがCPUクーラーの高さ上限。そこでCPUの上にレーザー距離計を置き、強化ガラス製左サイドパネルの内側に貼り付けたマーカーまでの数値を見ると172mmだった。これだけのスペースが確保できていれば、ハイエンド志向の大型クーラーも搭載できる計算だ。
公称値173mmに対し、実測では172mm(誤差の範囲)だった |
次にマザーボードトレイ背面から、CPUクーラーメンテナンスホールの様子をチェックする。カットアウト部は実測で幅約195mm、高さは約135mm。実際にマザーボードを搭載してみると、Socket AM5のバックプレートが小振りとあって、開口部が広く見える。これならIntel LGA1851などソケット周りのCPUクーラーマウントホールも十分に露出できるはずだ。
電源ユニットの搭載テストにはZALMAN「TeraMax II 1200W」(型番:ZM1200-TMX2)を用意した。80PLUS GOLD認証を取得した電源規格ATX 3.0準拠のフルモジュラータイプ。外形寸法は幅150mm、奥行き140mm、高さ86mmで、大容量ながらコンパクトな筐体が特徴とされる。なお国内市場では2023年10月より販売が開始されている。
Z10 DSの電源ユニット有効スペースは奥行き200mmまで。ただしシャドウベイユニットが出荷時の位置であれば、実測で約260mmまで確保できている。ここに奥行きショートタイプのフルモジュラー電源ユニットを搭載すると、シャドウベイユニットまで約120mmの空きスペースが確認できた。フロントパネル裏に長尺ラジエーターを搭載し、シャドウベイユニットを30mm後方へ移動しても90mmは確保できる計算。居住スペースとしては十分だろう。
ボトムカバー左側面の小窓(幅約120mm、高さ約60mm)からは電源ユニットの銘柄を露出し、存在をアピールできる |