エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1491
2024.12.29 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
最新の「Core Touch Technology 2.0」は、ヒートパイプや受熱ベースプレートの熱伝導率を強化。メーカー曰く、冷却性能が向上しているという。新製品だけにそれは当然として、この文面だけで想像すると接合部の工作精度が向上。その結果、”受熱性能および放熱フィンへの拡散性能が上がり、パフォーマンスを引き上げる事に成功した”といったところだろう。
AK620 DIGITAL PRO(型番:R-AK620-BKAPMN-G) 市場想定売価税込15,980円(2024年10月18日発売) 製品情報(DeepCool / 株式会社アユート) |
さらに「AK620 DIGITAL PRO」で目に付くのは、天板のデジタル表示機能。資料によると、CPU温度や使用量、ワット数、周波数がリアルタイムでモニタリングができる。加えてパネル両端には温度によって色が変わるインジケーターも装備し、CPUの状態を数字と色で管理する事ができる。多くの人は今現在動作していれば「正常」と判断するだろう。一方でCPUの挙動が常に気になる、または気にする必要がある人にとっては、これらの表示機能は便利に違いない。
市場想定売価の税込15,980円は高価な部類だが、冷却に付加価値をプラスしたAK620 DIGITAL PROは、プレミアムで特別な存在として熱心な自作派達にどう評価されるだろうか。
なおエルミタでは2022年、このモデルの前身でもある「AK620」について簡易検証を行っている。直接比較にはならないが、興味のある方は事前にご一読のほど。
製品本体に触れる前に、スペック表からAK620 DIGITAL PROの概要を掴んでおこう。対応ソケットは最新のIntel LGA1851を筆頭に現行モデル全てに搭載が可能。AMDもSocket AM4/AM5に対応している。冷却スタイルはサイドフロー型で、画像でも分かるように冷却ファン(120mm)が標準で2基装備され、吸排気能力を高めている。
その他、受熱ベースプレートとφ6mm x6本のヒートパイプで構成され、現在流通するアッパークラスに属するハイエンドCPUクーラーというワケだ。
なお出荷時のパッケージは、BOX全体をシュリンクしたDeepCool製品ではお馴染みのスタイル。外形寸法は幅約235mm、奥行き約170mm、高さ約185mmで、腰巻きの表面には製品画像、背面にはスペックが記されている。
AK620 DIGITAL PROと同じく10月18日より販売がスタートした「AK400 DIGITAL PRO」(型番:R-AK400-BKAPMN-G)についても触れておこう。同じ「AK DIGITAL」シリーズにあって、AK620 DIGITAL PROからは弟分的な位置付け。市場想定売価は税込7,980円とされており、”兄貴”に比べほぼ半分の売価だが冷却性能が”半分”という事は当然ない。
AK400 DIGITAL PRO(型番:R-AK400-BKAPMN-G) 市場想定売価税込7,980円(2024年10月18日発売) 製品情報(DeepCool / 株式会社アユート) |
画像を見れば違いは明らかで、AK620 DIGITAL PROよりもずいぶんとスリムなヒートシンクで、冷却ファンがシングル搭載のベーシックなサイドフロー型CPUクーラーに見える。一方でCPU温度や使用量、ワット数がモニタリングできるデジタルパネルを天面に装備する他、温度で色が変化するインジケーターを備えた「温度警告アラートシステム」など、この後解説していくAK620 DIGITAL PROに肩を並べる装備が特徴とされる。本稿はあくまで兄貴分のスペースだけに、弟分の冷却テストは別の機会に譲る事にしよう。