エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1491
2024.12.29 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
マザーボードへの搭載手順を確認したところで、ここからはAK620 DIGITAL PROを実際にPCに組み込み冷却性能を確認していこう。検証用のCPUには、現行最高峰のゲーム性能を誇る大人気モデルRyzen 7 9800X3Dと、Ryzen 9000シリーズの中では最もTDPが高いフラッグシップモデルRyzen 9 9950Xを用意した。
なおストレステストには「OCCT 13.1.11:CPU:Variable」と「CINEBENCH 2024:30 minutes(Test Stability)」を使用。CPU温度は「CPU (Tctl/Tdie)」の数値、騒音値はデータログ機能を備えた騒音計アズワン「TM-103」をPCから30cmの距離に設置して計測した。
「DeepCreative」からUSB経由で送信されたデータを元に、デジタル表示はリアルタイムに変更される |
まずはTDP120WのRyzen 7 9800X3Dから検証を進めていこう。第1世代3D V-Cacheは構造上の問題で熱に弱く、TDPの割にCPUクーラーの要求が高かった。しかし、第2世代3D V-Cacheでは内部設計の変更により冷却効率が改善。CPUの最大動作温度も95℃に向上し、冷却のハードルが下がっていることから、空冷での運用を検討している人も多いのではないだろうか。
96MBの大容量L3キャッシュを搭載するRyzen 7 9800X3D。TDPは120Wで、Ryzen 9000シリーズの中ではRyzen 9 9950Xに次いで高い |
CPU温度やPackage Power、ファンの回転数はいずれも「HWiNFO 64」で取得 |
30分間のテスト中、同じ処理を繰り返す「Cinebench 2024」では、CPUの温度はおおむね78℃前後、最高温度も79.9℃までしか上がらなかった。Package Powerは130W前後、クロックは5.175GHz前後で推移しており、最大ブーストに近いクロックを維持できている。
また約10分ごとに処理内容が変わる「OCCT 13.1.11」でもCPUの平均温度は約84℃、最高でも87.6℃だった。CPUの最大動作温度である95℃まではまだ余裕があり、Ryzen 7 9800X3Dに対しては冷却性能が不足することはないだろう。
ファンの回転数はいずれのテストでも公称最大値の約1,750rpmで、フル回転している状態だ。ちなみにノイズレベルは41dBA前後。今回はバラック状態で、周囲のノイズが少ない深夜に計測しているため、風切音ははっきり認識できたが耳障りに感じることはなかった。PCケースに入れたり、音楽やゲーム音が流れている状態であれば完全に紛れてしまうだろう。