エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1492
2024.12.30 更新
文:藤田 忠/撮影:pepe
テストセッションの最後は、ストレステストを実行し、高負荷時の挙動をみていこう。ラジエーターファンの動作を確認するため、CPUのストレステストには「Cinebench 2024:Minimum Test Duration:30 minutes」をチョイス。グラフィックスカードへ負荷をかける際は、「3DMark Steel Nomad Stress Test」を使用している。各種データは「HWiNFO64 Pro」で記録している。
「Cinebench 2024:Minimum Test Duration:30 minutes」実行時のモニタリングデータから抽出したのは、「P-core 0 Clock [MHz]」(Pコア)、「E-core 2 Clock [MHz]」(Eコア)、「CPU Package [°C]」(CPU温度)の3種類。推移を確認すると、Pコアは5,100MHz台後半、Eコアは4,500MHz台後半とほぼ最大で動作しているが、CPU温度は最大でも64℃かつ概ね50℃台後半と、まったく不安のない温度を維持している。
続いて「3DMark Steel Nomad Stress Test」実行時をみていこう。抽出したのは、「GPU Clock [MHz]」(GPUコアクロック)、「GPU Temperature [°C]」(GPU温度)、「GPU Hot Spot Temperature [°C]」(GPUホットスポット温度)、「GPU Memory Junction Temperature [°C]」(GPUメモリ温度)の4種類だ。
サイドパネルから新鮮な外気を取り込めることから、問題ない温度に抑え込めている。GPUホットスポット温度はさすがに最高で90℃台に達しているが、GPU温度は70℃台前半で推移。GPUコアクロックも2,600MHz台を安定して維持できていた。なお、ゲーミングテストで数時間ゲームをプレイした際でも、発熱が原因でスタッタリングが発生するようなシチュエーションはなかった。
最後にストレステスト実行中の動作音を騒音計で計測した。アイドル時は37.4dBAとまずまずの静かさになっている。個人差はあるが、アイドル状態だけでなく、メールやウェブ閲覧、動画視聴などといった作業時に、ファン回転音が気になることはなかった。「Cinebench 2024」実行時のラジエーターファンの回転数は1,300rpm台だが、40dBAを超えることはない。さらに「3DMark Steel Nomad Stress Test」実行時はグラフィックスカードのファンが動作するものの、ラジエーターファンの回転数はアイドル時と、ほぼ同じ500rpm台に留まっていることもあり、騒音値は38.4dBAと十分静かと言える数値だった。
外観が最大の特徴であるThermaltake「The Tower 300」を採用するだけでも十分魅力的に映る「AG-IA20Z89MGL7IS-TT3」。加えて、パソコンSHOPアークが厳選したパーツ構成は、依然人気のGeForce RTX 4070 Ti SUPERをチョイスすることで、ゲーミングPCとしてのパフォーマンスの高さも確認できた。重量級のゲームや、レンダリング、動画のエンコードといった処理もストレスなく実行できることから、ハイスペックなPCを必要としているニーズにも十分応える事ができている。また、360mmサイズラジエーターのオールインワン型水冷ユニットにより、高ワークロード中でも動作音が気にならない点も好印象で、冷却性能の高さも安心感に繋がっている。
そして今回紹介した「AG-IA20Z89MGL7IS-TT3」以外にも、現在入手が難しいゲーマー向けCPUであるAMD「Ryzen 7 9800X3D」や「Ryzen 7 7800X3D」を搭載したモデルが用意されている。構成パーツ選定が自作PCのトレンドに最も近い点こそ、arkhiveの強みだろう。
提供:株式会社アーク(パソコンSHOPアーク)