エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1494
2025.01.09 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
続いてASRockが独自にチューニングしたASRock Extreme Modeでの動作を確認していこう。
ASRock Extreme ModeではPL1、PL2とも4,095.9Wに引き上げられている |
Intel Default ModeからPackage Powerは約20W増加。CPUクロックもPコアが5.4GHzへとひきあげられているが、平均温度は約81.8℃、最高温度も89℃で、Core i9-14900Kの時と同じく、Core Ultra 200Sでも期待通りの冷却性能を発揮した。これなら3Dレンダリングや動画のエンコードなど、長時間高負荷が続くような処理でも常に安定したパフォーマンスを発揮することができるだろう。
テストの最後はRyzen 9000シリーズの時と同じく、「NH-D15 G2 HBC」「NH-D15 G2 LBC」両者の冷却性能の違いを確認しておこう。
Intel Default Modeの「NH-D15 G2 HBC」と「NH-D15 G2 LBC」の温度比較 |
ASRock Extreme Modeの「NH-D15 G2 HBC」と「NH-D15 G2 LBC」の温度比較 |
LGA1851ではソケットの改良により、LGA1700に比べてCPUの反りが軽減されているというが、今回のテストでは「NH-D15 G2 HBC」のほうがIntel Default Modeで約1.9℃、ASRock Extreme Modeでは約2.1℃平均温度が低くなった。このことから、LGA1851でも完全に反りが解消されているわけではなく、依然として「NH-D15 G2 HBC」のほうが高い冷却性能を発揮することがわかる。
まさに本稿執筆中にアメリカ・ラスベガスで開催中のCES 2025における基調講演で、AMDは「Ryzen 9 9950X3D」など最新CPUのラインナップを発表した。内容についてはこちらの発表記事に詳しいが、ゲーマーのみならず熱心な自作PC愛好家からも注目されているAMD Ryzenシリーズの新作とあって、リリース予定とされる3月が待ち遠しい。そしてその冷却には「NH-D15 G2 LBC」がピッタリだろう。
AMD Socket AM5向けに最適化されたNH-D15 G2 LBCは、テスト結果からNoctuaの主張が極めて正確である事が分かった。やはりNH-D15 G2シリーズのモデル選定には”例の一覧表”はしっかりとチェックすべきであり、システムに見合った製品と組み合わせたい。
余談ながら、年始の挨拶代わりに株式会社サイズ・S氏とNH-D15 G2シリーズの売れ行きについて話を聞いた。結果は今回検証を行ったAM5向けNH-D15 G2 LBCの販売数が最も多く、次に無印のNH-D15 G2、そしてNH-D15 G2 HBCだという。これは決してHBC向けのIntel LGA1700(ILM)が不人気という事では無く、高い冷却性能を求めるAM5愛好者が多数である事を表している。今後もしばらくの間、シリーズを牽引していくのは、NH-D15 G2 LBCになりそうだ。
協力:Noctua